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2015年10月19日

糖尿病と遺伝(その1)

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Ⅰ 糖尿病は遺伝します 
 
 糖尿病は、遺伝する病気です。
 遺伝というのは、「子が親に似ること」ともいえますから、顔や声が似るように、糖尿病という病気が必ず子供に遺伝するとしたら大変なことです。若くして発症する1型糖尿病患者さんの場合、この遺伝の問題は結婚や出産のときに、とても大きな問題になります。相手の親に反対されて結婚できなかったという話は、いまでもあります。
 また、自分は幸いにして結婚も出産も済んでしまったという、2型糖尿病の患者さんの場合でも、自分の子供も将来自分と同じ病気になるのかと、特に合併症で苦しんでいる人の場合は大きな心配ごととなります。このように、遺伝の問題は患者の皆さんにとって非常に大きな問題です。
 日本人は欧米白人に比べて、2型糖尿病にかかりやすいことが知られています。これは、戦前にハワイやカルフォルニアに移民した日系人を、現地の白人や日本にいる同族の子孫などと比較した調査で明らかにされています。このため、まず私たち日本人全体が2型糖尿病にかかりやすい体質を先祖から受け継いでいるのだという認識が必要です。

Ⅱ 糖尿病の遺伝形式
 
 人で病気がどのような形式で遺伝するのかは、一卵性双生児での病気の発現の仕方を調べるとよくわかります。アメリカで一卵性双生児での糖尿病の一致率を調べた結果、90%の一致率で双子の兄弟・姉妹が同時に2型糖尿病になっていました。2型糖尿病は中年以降に発症することが多い病気です。したがって、幾ら双子だといっても、中年ともなれば、お互いに結婚相手が違い、食事内容も異なり、職業も、住んでいる環境も異なる訳ですから、遺伝の果たす役割が大きいことが分かります。日本での同じ様な調査でも、約70%一致率で双子の兄弟・姉妹が2型糖尿病であったことが分かっています。
 少し前までは、1型糖尿病が遺伝に関係して、2型糖尿病は遺伝とは関係ないと考えられていました。しかし、このように、2型糖尿病は明らかな遺伝の関与が認められます。
 現在までのところ、糖尿病の遺伝形式は、
   1型糖尿病:劣性遺伝に近い形式
 2型糖尿病:優勢遺伝または多因子遺伝
であるとされています。
 優性遺伝とは、メンデルの法則に従う遺伝様式です。赤い花と白い花を交配すると、赤い花が優性遺伝する場合は、4個の花の内の3個が赤い花になる、という遺伝形式ですから、かなり強い遺伝傾向を示す体質だといえます。 

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