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2016年9月5日

くだものの取り方(その1)

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Ⅰ くだものと食品交換表
 
 くだものは主に炭水化物(果糖)を含む食品ですが、同時にビタミンやミネラルや食物繊維も含んでいます。このため、くだものは食品交換表では、めしやパンなどの炭水化物とは栄養学的に異なる食品とみなされ、普通の炭水化物とは別の食品と考えた方が分かりやすいと考えられました。従って、くだものはその他の炭水化物を含む食品とは分けてた方が分かり易いだろうと考えられ、食品交換表の「主に炭水化物を含む食品(I 群)」を二つに分類して、表2に分類されました。
 表2の食品1単位当たりの栄養素の平均含有量は、炭水化物20グラム、タンパク質0グラム、脂質0グラムとみなしています。このため、アボガドは脂質が多いので、多脂性食品として、表5の食品に分類しています。
 なお、表1の食品1単位当たりの栄養素の平均含有量は、炭水化物18グラム、タンパク質2グラム、脂質0グラムです。
 
Ⅱ くだものは必ずとらなけらばならないか
 
 食品交換表では、「果物はビタミンの補給に大切なので、一日1単位程度は食べましょう」と、くだものを必ず一日1単位は食べるように勧めています。しかし、すぐその後で、「最近のくだものは糖度が高く、糖尿病の方では血糖値の上昇や血中の中性脂肪の増加をまねく場合があります。食べ過ぎないように注意しましょう」と、くだものの食べ過ぎに注意しています。糖尿病の患者を対象にしている食品交換表のはずなのに、他人事のように「糖尿病の方では」というのは少しおかしいのではないかと思います。
 本当にくだものは毎日必ず食べなければならないのでしょうか。
 本当にくだものを毎日必ず1単位とらないと、私たちはビタミン不足になってしまうのでしょうか。

Ⅲ くだものに含まれる糖分
 
 くだものには、果糖(フルクトース)と呼ばれる糖分が含まれています。この果糖は血糖値の元になっているブドウ糖(グルコース)と同じ仲間です。その化学構造はお互いによく似ていて、両方の糖質共に6個の炭素分子からなります(1炭糖とよばれています)。このため、果糖はブドウ糖と同様にとても甘味の強い物質ですが、ブドウ糖に比べると果糖の方が少し苦味のある甘味といえます。
 しかし、果糖がブドウ糖と決定的に違うのは、次に説明するその代謝経路です。
 なお、私たちが毎日の生活で一般的に使用している「砂糖(シュガー)」は、ブドウ糖と果糖が1分子ずつ結合している物質で、2糖類に分類されます。

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