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2016年8月1日

やせ薬について(その2)

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Ⅲ アメリカで使われているやせ薬

(1)ゼニカル(一般名オルリスタット)
 1999年に米国で許可されたやせ薬です。医師の処方箋が要ります。
 消化管での脂肪の消化を阻害して、脂肪の吸収を約30%減らすことが主な作用メカニズムです。
 
(2)メリディア(一般名シブトラミン)
 1997年に米国で許可されたやせ薬です。医師の処方箋が要ります。
 空腹感を抑えて満腹感をもたらしてくれる脳内物質である、ノルエピネフリンとセロトニンの濃度を高めることが主な作用メカニズムです。

(3)イオナミン、アディペックスXなど(一般名フェンテルミン)
 1957年から許可されているやせ薬です。
 ノルエピネフリン濃度を高めることで食欲を抑制するのがその作用メカニズムです。短期間の使用だけが許可されています。この薬はフェンフルラミンと一緒に用いられ、この併用療法は”fen-phen”と呼ばれて、減量効果が著しいとされ一時盛んに処方されましたが、心臓弁膜症という重大な副作用が問題とされ、現在ではこの併用療法は禁止されています。フェンフルラミンがこの副作用の原因とされ、現在では危険な薬と認定されて、販売が禁止されています。このフェンフルラミンの製造元であるアメリカン・ホーム・プロダクト社はこの副作用による医療訴訟で数十億ドルの損害賠償金を支払いました。我が国でも死亡例が報告されている中国製のやせ薬の成分は、このフェンフルラミンでした。

Ⅳ 漢方薬のやせ薬について
 
 中国製の痩身用健康食品を使用した人の中から、死亡例や重症肝障害の副作用が数多く報告され、我が国での販売が禁止されたことは皆さんもよく知っていることと思います。これらの痩身用健康食品の主成分は、フェンフルラミンという化学合成された物質で、アメリカでは重篤な副作用のために既に販売が中止されている物質でした。
 一般的に、漢方薬や生薬は、天然にあるものから作られているから、副作用が無くて安全だと信じられています。しかし、最近ではこの例からも判るように、西洋医学の化学合成薬品を混入させて、効果があると宣伝している漢方薬や生薬健康食品が少なくありません。さらに問題なのは、薬品としてではなくて、食品として販売されていることです。薬品としての認可を受ける必要もなく、安全性や有効性に何の責任もとらないのです。
 今までの所、やせ薬としての効果が科学的に証明された漢方薬はひとつもないということを肝に銘じて下さい。

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