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2019年9月30日

アディポサイトカインについて(その2)                    

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Ⅲ アディポネクチン
 
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインで、肥満やインスリン抵抗性増大によりその血中濃度が低下します。アディポサイトカインにはインスリン抵抗性改善作用や抗動脈降下作用があることが明らかにされたため、善玉アディポサイトカインとして2型糖尿病治療戦略の1つとして注目されています。糖尿病治療薬のチアゾリジン系薬剤(アクトス)には、このアディポネクチンを増加させる作用があるため、アクトスが血糖低下作用のみならず抗動脈硬化作用も併せて持つことが明らかにされました。

Ⅳ レプチン

レプチンは脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインで、主に視床下部の受容体を介して、強力な摂食抑制やエネルギー消費亢進をもたらします。体内に脂肪が蓄積されるとレプチン分泌は亢進して体重減少に傾く一方、脂肪が減るとレプチン分泌が減少して体重増加に傾きます。したがって、レプチンはエネルギー代謝の恒常性を維持することで体重を一定に保つアディポサイトカインとして機能しています。2型糖尿病では肥満するに従ってレプチンが上昇してきますが、逆に肥満している患者は過食傾向にあり、「レプチン抵抗性」という状態にあるものと考えられています。

Ⅴ TNF-α

軽微な慢性炎症がインスリン抵抗性や2型糖尿病のみならず、動脈硬化性疾患の発症と密接に関係することがよく知られています。糖尿病や肥満患者で、古典的な炎症マーカーであるTNF-αが脂肪細胞から過剰に分泌され、TNF-αの血中濃度が上昇していることや、このTNF-αの作用を抑制すると末梢のインスリン抵抗性が改善できることから、TNF-αをはじめ炎症性アディポサイトカインがインスリン抵抗性増大の一因となっていると考えられています。更に、動脈硬化を促進させることも判ってきました。

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