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2026年1月19日

インクレチン製剤について(その1)

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Ⅰ はじめに
 
糖尿病治療の進歩は、治療薬の開発と共に訪れてきました。1921年にインスリンが発見されるまでは、高血糖をコントロールする方法ができなかったので、糖尿病患者は糖尿病が発症すると高血糖による昏睡やケトアシドーシスで短い期間で死亡してしまいました。当時の患者の糖尿病が発症してからの平均余命は1型糖尿病で1年未満、2型糖尿病で5年未満というとても短いものでした。
 その後インスリンが直ちに臨床応用されたり、1950年代に入ってスルフォニル尿素薬やビグアナイド薬などの経口血糖降下薬が使われるようになり、2型糖尿病治療は経口薬が主役の時代に入りました。1990年代になると、新しい作用機序を持つ薬が次々と臨床の場で使われるようになり、それにつれて2型糖尿病治療の方法も大きく変わってきました。中でも2009年に登場したDPP4阻害薬とその翌年に発売されたGLP1受容体作動薬などのインクレチン製剤がその後の2型糖尿病治療を大きく変える役割を果たしてきています。

Ⅱ インクレチンとは
 
1900年代前半に、食事を摂取するとインスリン分泌を促す消化管ホルモンの存在が明らかにされ、腸管から分泌されるインスリンという意味でインクレチン(Intestin Secretion Insulin)と命名されました。1960年代はじめに、同じ血糖値になるようにブドウ糖を投与したときに、経口的に投与すると経静脈的に投与した時に比べて、インスリン分泌反応が大きくなることが明らかにされ、これをインクレチン効果と名付けました。インクレチンにはGLP1(Glucagon-like pepetide 1:グルカゴン様ペプチド1)とGIP(gastric inhibitory polypeptideグルコース依存性インスリン分泌刺激ペプチド)の二つがあることが明らかにされましたが、より血糖降下作用の強いGLP1関連薬が臨床応用されるようになりました。

Ⅲ GLP1の効果

 GLP1は食事摂取が刺激となって小腸下部にあるL細胞から分泌されます。このGLP1には様々な作用があることが明らかにされています。①膵臓からのインスリン分泌/生合成を促進、②膵臓からのグルカゴン分泌抑制、③大脳に作用して食欲抑制、④胃からの内容物排出遅延と胃酸分泌抑制、⑤腸管の運動性の抑制、⑥骨格筋でのグルコース取り込み促進、などをはじめとしてこの他心血管、腎臓、肝臓、免疫系などにも作用します。これらの多くの作用の中で糖尿病に直接関係してくるのは、膵臓への作用と大脳、消化管への作用です。

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