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2026年2月2日

インクレチン製剤について(その2)

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Ⅳ DPP4阻害薬とは
 
このような優れた作用を持つGLP1は腸管から分泌されると数分以内に、DPP4(dipeptidyl peptidase 4)という酵素により不活化されてしまい、その作用を発揮できなくなります。この酵素の働きを抑えることで、GLP1の作用をより強く発揮させる目的で開発されたのがDPP4阻害薬です。この薬が臨床使用されるまでの基礎データでは、この薬はインスリン分泌促進作用よりもグルカゴン分泌抑制作用を強く示したため、血糖低下作用は弱いものと考えられていましたが、実際に臨床使用してみると予想以上に安定した血糖降下作用を示すばかりか、低血糖などの副作用も少なかったので、多くの実地医家の支持を得るようになり、現在では最も処方頻度の高い薬となっています。

Ⅴ GLP1受動体作用薬
 
DPP4阻害薬という間接的にGLP1の作用を強める薬が発売されて臨床医から高い評価を得た翌年に、GLP1受動体作用薬として二種類の注射製剤が市場に出てきました。最初に出てきたのは、エキセナチドというアメリカ毒トカゲの唾液から抽出されたものでした。これはヒトのGLP1とアミノ酸組成が53%の相同性があるペプチドで作用時間が短いために1日2回の注射が必要でした。この注射薬の主な作用はグルカゴン分泌抑制と腸管運動性の抑制でした。このため、強い食欲抑制作用がみられ、体重低下作用も認められましたが、血糖低下作用は期待したほど強力ではありませんでした。次いで遺伝子組み換えにより合成されたリラグリチドが発売されました。これはヒトのGLP1のアミノ酸組成と97%の相同性があり、作用時間も長いため一日一回の注射ですみました。これはグルコース濃度依存的に膵臓からのインスリン分泌を促進させます。この注射薬は強い血糖降下作用が期待されたのですが、本邦での使用許可用量が世界中で1.8mg/日であったのに対して、0.9mg/日と極端に低用量であったため、本来の薬効を示すことができませんでした。

Ⅵ 週一回型GLP1受動態作用薬

 ヒトGLP1と94%のアミノ酸配列の相同性があるセマグルチドが2017年から使用可能となりました。これはリラグルチドの改良型ともいえる注射薬で、週一回注射で安定した血糖低下作用と体重減少作用を示しました。

Ⅶ 経口GLP1受動体作用薬
 
GLP1受動体作用薬は何れもタンパク質でできているために、経口投与ができず、注射製剤しかありませんでしたが、経口服用を可能とした画期的なGLP1受動体作用薬が2020年に登場しました。これは分子量が大きいことから消化管での上皮細胞浸透性が低く、また、胃の分解酵素により分解されてしまうというセマグルチドを、吸収促進剤であるSNAC(サルカプロザートナトリウム)でコーティングすることで、胃でのタンパク分解からセマグルチドを保護し、吸収を促進して、経口投与を可能としました。これからのインクレチン関連薬治療の主役となることが期待されます。
 
 

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