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2015年10月14日

インスリンについて

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Ⅰ インスリンとは

 インスリンというホルモンを理解することなしに、糖尿病という病気を理解することはできません。インスリンのはたらきには次のようなものがあります。

1)インスリンは膵臓から分泌されるホルモンです。
 
 膵臓は胃の裏側にあります。膵臓には食物を消化する酵素を分泌する「外分泌腺」と呼ばれる細胞の集団と、インスリンやグルカゴンなどのホルモンを分泌する「内分泌腺」と呼ばれる細胞の集団(ランゲルハンス島)があります。インスリンは、このランゲルハンス島の中のβ細胞と呼ばれる細胞から分泌されます。正常な人の膵臓は、1日に約40単位のインスリンを分泌します。

2)インスリンは、食べたものを身に付けるように働きます。

3)私たちの体にある多くのホルモンの中で、唯一血糖を下げる働きがあります。 
 
 副腎皮質ホルモン、女性ホルモン、成長ホルモンやグルカゴンなどのホルモンはすべて、インスリンとは反対に、血糖を上げるはたらきがあります。

4)肝臓・筋肉・脂肪組織などでインスリンは働きます。
 
 これらの組織でエネルギーの出し入れの調節をするのがインスリンの主な役割です。特に肝臓はインスリンのはたらき場所として一番重要な臓器で、膵臓から分泌されるインスリンの約50%は肝臓で使われます。

5)糖質(炭水化物)の代謝だけではなく、脂質・タンパク質など全ての栄養素の代謝に関与しています。
 
 このために、インスリンの作用が不足すると、糖質代謝ばかりでなく、脂質・蛋白質を含んだ広範な代謝異常が引き起こされることになります。

Ⅱ インスリンと糖尿病
 
 このように、ヒトが生きていく上で重要なはたらきのあるインスリンに何らかの異常が起これば、血糖値が上昇するのを始めとして、いろいろな代謝に重大な障害が引き起こされることは想像に難くありません。糖尿病の原因となるインスリンの異常には、次のようなものがあります。

1)インスリンの構造そのものに異常があり、インスリンの機能が正常に発揮できない場合
 これは遺伝性・家族性の糖尿病の原因となりますが、非常にマレです。

2)膵臓からのインスリン分泌が枯渇している場合
 1型糖尿病の原因です。
 2型糖尿病でも病気が進行すると、血糖コントロールが悪い状態が長く続いていると、インスリン分泌が低下してきて、1型糖尿病の様になることがしばしば認められます。

3)膵臓からのインスリン分泌はあるが、筋肉、脂肪組織や肝臓でインスリンが正常に働くことができない場合
   2型糖尿病の原因で、最近は「インスリン抵抗性」とも呼ばれています。

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