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2016年9月20日

グレープフルーツと薬

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Ⅰグレープフルーツと薬

 グレープフルーツには多くの薬との間に相互作用を起こして、薬の効果に影響を及ぼすことがあります。幸い、糖尿病治療薬との間では、今のところ問題がありませんが、糖尿病患者さんは降圧薬や高脂血症薬などの薬を併用することが多いので注意が必要です。

Ⅱグレープフルーツが薬に与える効果

 人の体には、体内に吸収された薬物を代謝する幾つかのシステムがあります。グレープフルーツはこの中でもただひとつの薬物代謝システム(チトクロームP-450 3A4システム(CYP3A4システム))に影響を及ぼします。グレープフルーツは小腸にあるCYP3A4酵素が薬物を分解するのを妨害するため、小腸からの薬物の吸収が長引き、普段よりも大量の薬物が吸収されてしまします。大量のグレープフルーツを食べたときには、血液中の薬物濃度が急激に上昇してしまうこともあります。

Ⅲグレープフルーツの影響を受ける薬

1)カルシウム拮抗薬:高血圧や狭心症などの治療薬
  カルスロット錠20mg
  アテレック錠10mg
  アダラート5mgカプセル
  エックスフォージ配合錠
  ザクラス配合錠HD
  アイミクスHD錠

2)HMGCoA阻害薬(通称スタチン系):高コレステロール血症治療薬
  クレストール2.5mg
  リバロ錠2mg

3)アンジオテンシンII受容体拮抗薬:高血圧・心不全治療薬
  アジルバ錠40mg
  オルメテック錠
  アイミクスHD錠
  ザクラス配合錠HD
  エクメットHD錠

4)シロスタゾール:閉塞性動脈硬化症治療薬
  プレタール錠50mg

Ⅲ グレープフルーツをどうしたらよいのか
 
 グレープフルーツによる影響を受ける薬を内服する人には、グレープフルーツやグレープフルーツジュースを避けるよう指導するのが一般的です。
 グレープフルーツのCYP3A4に対する影響は数日間持続しますから、薬を内服する数時間以内はグレープフルーツを摂るのを止めたとしても、やはり薬に対する影響がでてしまいます。 
 では、グレープフルーツに影響を受ける薬を内服している人は、全くグレープフルーツを食べることができないのでしょうか。確かに、グレープフルーツジュースは大量のグレープフルーツを含みますから、避けるのが賢明です。しかし、グレープフルーツによるCYP3A4に対する影響には個人差が大きいため、人によっては全く問題にならないこともあります。このため、ビタミンCを大量に含むグレープフルーツを簡単に諦める必要はなく、グレープフルーツ半分くらいなら余り問題にならないという意見もあります。
 また、オレンジジュースやオレンジには、グレープフルーツのようなCYP3A4に対する影響は全くありませんので、ご心配なく。

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