再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2024年5月20日

サルコペニアとは何か(その2)

0

Ⅲ サルコペニアの分類
1.一次性サルコペニアと二次性サルコペニア
 
サルコペニアは、加齢のみが原因である一次性サルコペニアと、加齢以外の原因が明らかな二次性サルコペニアに分類されます。二次性サルコペニアの原因には、低活動、低栄養(エネルギーやタンパク質の摂取不足や吸収不良)、疾患(急性感染症、外傷、骨折などの急性疾患や、がん、慢性呼吸不全などの慢性疾患など)が含まれます。二次性サルコペニアは、年齢不問の疾患といえます。

2.急性サルコペニアと慢性サルコペニア
 
発症して6カ月間未満の急性サルコペニアと、6ヶ月以上持続する慢性サルコペニアに分類されます。急性サルコペニアは入院加療を必要とする急性疾患で生じることが多く、慢性サルコペニアは、加齢や慢性疾患で生じることが多い。慢性サルコペニアの高齢者が急性サルコペニアを合併して、寝たきりや摂食嚥下障害を生じやすくなります。

Ⅳ サルコペニアの診断
 
EWGSOP2論文では、サルコペニアの診断の流れが、発見→評価→確定診断→重症度診断となりました。つまり、

①サルコペニアの自記式スクリーニングであるSARC-F(表)でサルコペニアの疑いのある人を発見する。

   表 サルコペニアの自記式スクリーニング(SARC-F)

1)4.5Kgの荷物の持ち運びは、どの程度困難ですか?   
2)部屋の端から端までの歩行移動は、どの程度困難ですか?
3)椅子やベッドからの移動は、どの程度困難ですか?
4)階段10段を上がることは、どの程度困難ですか?
5)過去一年で何度転倒しましたか? なし:0点、1~3回:1点、4回以上:2点

1)~4)は、 全く困難でない:0点、いくらか困難:1点、非常に困難ないしできない:2点
10点満点のうち4点以上であれば、サルコペニアが疑われます。

②握力や椅子立ち上がりテストで筋力を評価して、筋力低下(握力が男性27Kg未満、女性16Kg未満、椅子立ち上がりテストが5回で15秒以上)があればサルコペニアの可能性が高いと診断します。

③筋肉量を測定して、筋力低下に加えて筋肉量減少を認めればサルコペニアと確定診断します。筋肉量評価が困難な場合には、下腿で最も太い部分の周囲長で評価します。日本人の地域在住高齢者では下腿周囲長が男性34cm未満、女性33cm未満を筋肉量減少の目安とします。一方、入院高齢患者では下腿周囲長が男性30cm以下、女性29cm以下を筋肉量減少の目安とします。

④歩行速度などで身体機能を評価して、サルコペニアに加えて身体機能低下(歩行速度が0.8m/秒以下)を認めれば重症サルコペニアと診断します。
 

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日