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2025年5月12日

シビレと脊椎疾患(その2)

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Ⅲ 腰椎すべり症
 
腰椎すべり症は、何らかの原因で腰の骨がずれてしまう病気です。その結果、腰痛や下肢の痛みやシビレなどの様々な症状を引き起こします。また、腰椎すべり症は主に「分離すべり症」と「変性すべり症」の2種類に分けることができます。「分離すべり症」は、背骨の本体である椎体と関節を支えている椎弓が分離してしまう状態、「変性すべり症」は、加齢に伴い骨と骨の間にある椎間板や靱帯など、腰椎を安定化している組織が変性したことでずれてしまった状態をいいます。
 腰椎すべり症の原因は分かっていません。「変性すべり症」は「分離すべり症」に比べて発生の頻度が高く、中年以降の女性に多くみられることから女性ホルモンの影響が考えられています。「分離すべり症」は、思春期のスポーツ活動による腰の骨の疲労骨折である「腰椎分離症」に引き続いて生じ、第5腰椎に多いのが特徴です。
  主な症状としては腰痛と座骨神経痛があります。すべりが重度になるにつれ、腰椎後方の脊柱管という神経の通り道が細くなり、脊髄神経が圧迫されることが要因となり、下肢に痛みやシビレが症状として表れることもあります。また、少しの距離を歩くだけで臀部や太ももに痛みやシビレを感じ、少し休息することで痛みは緩和するが、再び歩き始めると痛みやシビレが出るという「間欠跛行」という症状がみられることも特徴です。
 腰椎すべり症の治療は、まず薬物療法や理学療法などの保存的療法が行われます。消炎鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬などの服用、腰への負担を軽くするためのコルセットの使用や、神経ブロック注射などを行います。間欠跛行がみられるときには、神経の血流を良くするプロスタグランジン製剤の内服が有効なこともあります。これらの治療と並行して、腰椎のけん引や温熱療法、ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行うことで、痛みやシビレなどの症状の軽減を図ります。しかし、これらの保存的療法を行っても症状が軽減されなかった場合や、痛みやシビレ、下肢の麻痺、排尿障害などの重度の症状が出てきたときは手術療法を検討します。手術療法では、骨がずれて神経が圧迫されている状態を改善するために、まずは椎弓切除術あるいは形成術と呼ばれる除圧術、さらに必要に応じて脊椎固定術をおこなうこともあります。
 腰椎すべり症に対する効果的な予防法はありません。しかし、腰回りやおなかの筋肉を鍛えておくこと、腰を動かしたりストレッチをするなど、腰への負担を軽くする腰痛予防が大切です。

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