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2025年6月9日

シビレと脊椎疾患(その4)

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Ⅴ 変形性脊椎症
 
年齢を重ねたことで、脊椎を構成する椎体という24個の骨と、その間にあってクッションの役割を果たしている椎間板に変化が起きることをいいます。変化があまり大きくなければ無症状のことがほとんどで、その場合は病気とはいえません。しかし、椎間板の変化が進むことで、腰・背中の痛み、動きづらさなどの症状が引き起こされます。また、神経根や脊髄が圧迫されて左右両方の手足に痛み・シビレ・動かしづらさが生じる「頸椎症性脊髄症」や、長い距離を続けて歩くことができないという症状が現れる「腰部脊柱管狭窄症」などの疾患に繋がることもあります。
年齢を重ねることによって、少しずつ椎間板が薄くなって弾力性が失われ、骨と骨の結合が弱くなります。この結合の弱さを補強しようとする生体反応で、脊椎の端にささくれて骨のトゲのような骨棘が形成されます。これが変形性脊椎症と呼ばれる状態です。重いものを運ぶ機会が多かったり、スポーツをしていたりすると背骨に負担がかかりやすくなるため、椎間板が傷みやすく、骨棘ができやすくなるといわれています。喫煙・肥満が関わっているというデータもあります。椎間板の寿命は遺伝的に差があるともいわれています。変形性脊椎症の多くは越に起こり、腰部変形性脊椎症と呼ばれています。次に多いのが首の脊椎に起こる頚部変形性脊椎症で、だるさ、重さ、鈍い痛みなどを感じることもあります。骨棘が神経を圧迫して全身の様々な場所に痛みが現れると、他の病名が付くことになります。
 変形性脊椎症そのものは病気とはいえず、無症状のことも多くあります。しかし、骨棘が形成されたり、椎間板のクッション機能が落ちるなどの変化が進むことで神経が圧迫されると、腰や背中、左右両方の手足の痛みなどが起こります。また、「頸椎症性脊髄症」という病気をでは、ボタンがかけにくい、箸やペンを使うのが難しくなる、歩いていると足がもつれる、手足がシビレるといった症状が現れることがあります。また、背筋を伸ばして歩いているときや立っているときに、お尻から足にかけて痛み・シビレが生じる「腰部脊柱管狭窄症」になることもあります。腰部脊柱管狭窄症になると、前屈みになると症状が和らぐが、歩くと症状が悪化することが多くみられます。
 診断はX線検査で、椎体に骨棘ができているか、椎間板が減り椎体と椎体の間が狭くなってクッション性が失われていないか等の変化を確認しますが、高齢者なら誰にでも起こることなので、これらの変化で直ちに病気だと診断することはできません。手足のシビレ・手足の動かしづらさ、しつこい痛みなどの神経が圧迫されていると疑われる症状が出たときは、MRI検査や下肢血流検査を行い、鑑別診断を行います。
 無症状のときは特に治療はいりません。必要以上に慌てることなく、禁煙や体重の管理に努めます。加齢と共に背筋が弱り、猫背や腰曲がりなどの姿勢の変化も起きるので、体幹の筋肉を付けることも推奨されています。痛みなどが出現したときは鎮痛薬服用や神経ブロックなどの対症療法やコルセット装着を行いますが、症状が進行して手術療法も行うこともあります。

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