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2026年2月16日

フレイルとサルコペニア(その1)

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Ⅰ はじめに
 
フレイルとは、「生理的予備能が低下することで、ストレスに対する脆弱性が亢進し、生活機能障害、要介護状態、死亡などの転機に陥りやすい状態」を指す言葉です。このフレイルの構成要素は、体重減少、主観的活力低下、活動性低下、歩行速度低下、握力低下の五つで、このうちの3つ以上を満たすとフレイル、1つまたは2つを満たすとプレフレイルと判定します。これらの構成要素は互いに絡み合い、悪循環を形成しています。歩行速度の低下や筋力低下はサルコペニアの要素でもありますから、サルコペニアとフレイルが密接な関係にあることが判ります。

Ⅱ フレイルとサルコペニア

 これまでサルコペニアは骨格筋量の低下だけで定義されていましたが、高齢者の死亡や要介護移行に関連するのは、筋量よりも筋力であることが明らかになったため、最近では、サルコペニアの診断基準には、筋量とともに、筋力、身体機能が付け加えられました。我が国では独自のサルコペニアの定義が確立されていないために、アジアのワーキンググループ(Asian Working Group for Sarcopenia:AWGS)基準が広く用いられています。それによると、65歳以上の高齢者に対して、握力が低下しているか(男性26Kg未満、女性18Kg未満)、あるいは歩行速度が低下しているか(0.8m/秒以下)のいずれかの場合、四肢筋量を測定して、基準より低下していることが認められると、サルコペニアと診断しています。しかし、歩行速度を0.8m/秒未満とすると、我が国の高齢者では該当する人がとても少なくなるために、我が国独自の診断基準が考案されつつあります。
 サルコペニアの原因として、加齢に伴う身体活動の低下を始め、加齢に伴って生じる栄養状態の変化、内分泌系の変化、神経筋接合部異常などの様々な要因が関与していると考えられています。フレイルの成因についてはサルコペニアの成因とオーバーラップする部分が多くありますが、これに加えて免疫系や神経系の変化も含まれます。

Ⅲ 糖尿病とフレイル、サルコペニア

 糖尿病でHbA1cが8%以上の人と、糖尿病でないHbA1c5.5%未満の人との間で、フレイルと歩行速度低下の頻度を調べたところ、糖尿病ではフレイルは3.3倍、歩行速度低下は2.8倍みられました。この他、BMIや血中サイトカイン濃度、など様々な病態で、加齢と筋量低下度で定義したサルコペニアとの関連を調べたところ、糖尿病では健常者よりも数年早くサルコペニアになることが明らかになりました。このことから、糖尿病はサルコペニアの促進因子であると考えられました。さらに、糖尿病神経障害を合併している糖尿病患者では、サルコペニアの頻度が高いとされています。

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