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2026年3月2日

フレイルとサルコペニア(その2)

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Ⅳ サルコペニア肥満

 糖尿病では肥満を合併していることがよくありますが、高齢者でも両者の合併は多く見られます。肥満は心血管病発症リスクが高い病態ですが、それにサルコペニアが併存するサルコペニア肥満は、サルコペニア単独、肥満単独よりも身体機能が低下しやすい状態として注目されています。サルコペニア肥満は、相対的な脂肪量増加により肥大化した脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインにより炎症が引き起こされ、筋量低下が助長されると考えられています。実際、糖尿病患者の筋力体重比がインスリン抵抗性の指標であるHOMA-Rと相関することが示されています。また、肥満や糖尿病患者では骨格筋内脂肪蓄積がみられ、インスリン抵抗性の惹起に関連すること、また筋内に蓄積した終末糖化産物(AGE)が筋力低下やミトコンドリア機能低下に関連するとされていますが、これらも糖尿病や肥満における筋量、筋力低下の一因であると考えられています。

Ⅴ フレイル、サルコペニアを考えた糖尿病治療
 
糖尿病患者での認知症と血糖コントロールの関係ではJカーブ現象がみられ、血糖コントロール不良群と共に、低血糖の存在が示唆される血糖コントロール最良群で認知症のリスクが高いとされていますが、フレイルと血糖コントロールの間にも同様なJカーブ現象がみられます。ベースラインでHbA1c7.6%程度が最もフレイルの出現が少ないという報告が米国から出ています。この理由は明らかではありませんが、高齢者の糖尿病治療を考える上で、参考となる貴重なデータといえます。
 フレイル、サルコペニアの予防または治療として、運動(レジスタンス運動など)と栄養補充(タンパク質摂取など)の有用性はほぼ確立されてきています。一方、糖尿病治療でもレジスタンス運動の有用性はよく知られていることから、サルコペニア合併糖尿病、または高齢者糖尿病患者のサルコペニア予防に対しても、運動や栄養管理が有用であろうと考えられます。
 糖尿病治療薬のチアゾリジン誘導体(アクトス錠)とビグアナイド(メトグルコ錠)にサルコペニア予防の可能性を示唆する報告がでています。チアゾリジン誘導体やビグアナイドを服用していた群は他の糖尿病薬を服用していた群に比べて四肢筋量低下が少なかったという報告があります。その他の糖尿病薬では、DPP4阻害薬で筋量低下が予防できたという報告も出てきていますが、まだまだ検討の余地がありそうです。これ以外の糖尿病薬ではこのような報告はなされていません。高齢者糖尿病治療ではこのような観点からも使用する糖尿病薬を検討する必要もありそうです。
 今後さらに進行する超高齢化社会における糖尿病治療方法を確立するためには、フレイルやサルコペニアを早期に同定して、有効な介入方法を確立して標準化することが求められているといえます。
 
 

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