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2016年8月22日

ヘモグロビンA1cについて(その1)

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Ⅰ ヘモグロビンA1cとは何か

 患者さんが受ける多くの検査の中で、糖尿病に最も重要な検査の一つとしてヘモグロビンA1c検査があります。この検査は毎月一回行います。この検査の結果で、患者さんの血糖コントロール状態が、良いのか悪いのかを医者は判断しています。
 どうしてヘモグロビンA1cで血糖コントロールの良し悪しが判るのかを考えてみます。

Ⅱ ヘモグロビンとヘモグロビンA1c
 
 「ヘモグロビンA1c」と紛らわしい検査項目に、ヘモグロビンというのがあります。この「ヘモグロビン」とは、私たちの血液中にある赤血球を作っているタンパク質のことを指します。このヘモグロビンの量が少ない状態を貧血といいます。女性に多い鉄欠乏性貧血というのは、血液中の鉄分が不足して、このタンパク質が作られない状態のことです。
 そして、「ヘモグロビンA1c」というのは、この赤血球のタンパク質であるヘモグロビンの一部(A1cと呼ばれる部分)に、ブドウ糖が結合した状態のことをいいます。このようにタンパク質の一部にブドウ糖が結合する反応を糖化反応(グリケーション)といいます。

Ⅲ 糖化反応(グリケーション)について
 
 糖化反応(グリケーション)は、自然界でよく見られる反応で、タンパク質にブドウ糖が勝手に結合してしまう反応のことです。
 自然界の多くの化学反応では、物質Aと物質Bが反応してA-Bという結合物を作るときには、その反応を仲介する「酵素」と呼ばれるタンパク質が必要です。しかし、中にはこのような酵素と呼ばれる仲介役の助けがなくても化学反応がおこることがあります。このような反応を非酵素的反応といいます。このような化学反応は酵素の助けがないために、普通の化学反応に比べて反応の速さは緩やかになります。
 なかでも、タンパク質にブドウ糖が酵素の助けなしに結合する反応は、非酵素的糖化と呼ばれています。この反応は私たちの日常生活でもよくみられます。例えば、ご飯を炊いておくと白いご飯が段々と黄ばんでいき、やがては茶色くなります。これは、米粒の外側にあるタンパク質と内側にあるでんぷん(ブドウ糖)が反応してタンパク質とブドウ糖が緩やかに結合した結果です。このような糖化反応は老化現象とも考えられています。老人斑と呼ばれる皮膚の色が茶色に変化するのも同じ原因からだといわれています。英語でグリケーションのことをAdvanced Glycated Endproduct(AGE)といいますが、この略語がAGE、すなわち老化という意味を持つのもこのためです。

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