再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2017年11月6日

メタボリックシンドローム(その1)

0

Ⅰ はじめに
 
 メタボリックシンドロームは、最初は世界保健機構(WHO)が1998年に提唱した概念です。糖尿病または空腹時高血糖、耐糖能異常、インスリン抵抗性を示す境界型糖尿病などの何らかの糖代謝異常を示すヒトに、肥満、高中性脂肪血症または低LDLコレステロール血症、高血圧症、微量アルブミン尿のうちの2つ以上の異常が合併したシンドローム(症候群)を指す疾患名として発表されました。
 その後、2001年に発表された米国コレステロール教育プログラムの成人治療指針の中で、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患の危険因子が多数存在する病態のことをメタボリックシンドロームと表現し、ライフスタイルの改善が最も重要だとしました。それからもヨーロッパやアメリカの内分泌学会からもそれぞれ独自の診断基準を持ったメタボリックシンドロームの概念が発表され、我が国でも日本版メタボリックシンドロームの診断基準を作成する委員会から、日本人のためのメタボリックシンドロームの定義と診断基準が2005年の日本内科学会で発表されました。

Ⅱ メタボリックシンドロームの概念
 
 様々な危険因子がいくつか集まると、冠動脈疾患のリスクが一層増強することはかなり昔から知られていました。1947年にVague博士が上半身肥満が2型糖尿病や冠動脈疾患の発症に関係することを報告し、1988年にはReaven博士は、インスリン抵抗性を基盤にした高インスリン血症、糖代謝異常、悪玉コレステロール(VLDL)の増加、善玉コレステロール(HDL)の低下と高血圧が存在する病態を症候群として考えて、シンドロームXと名付けました。この後、「インスリン抵抗性症候群」、「死の四重奏」、「内臓脂肪症候群」などの様々な名称で冠動脈疾患の危険因子が多数存在する病態が報告されてきました。
 これらのWHOならびにヨーロッパやアメリカ内分泌学会のメタボリックシンドロームの診断基準は、インスリン抵抗性とそれに伴う血中の遊離脂肪酸の増加がメタボリックシンドロームの成因だと考えています。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日