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2022年4月4日

ロコモティブシンドローム(その1)

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Ⅰ ロコモティブシンドロームとは
 
わが国は2007年に高齢化率が21%を超え、世界に先駆けて超高齢社会になりました。高齢者の増加と共に要介護者も増え続けていて、要支援・要介護の認定要因は、店頭・骨折や関節性疾患などの運動障害によるものが多くみられます。したがって、これからは運動器の健康を積極的に図らなければ、さらに要介護高齢者が増加すると予想されます。一方、加齢に伴う運動機能の低下や運動器疾患は緩徐に進行して、複数の運動器が相互に関連しながら脆弱化するために、この様な変化を早期に察知して予防したり治療すること、またこうした知識や対策を一般の人々に普及させて啓発することが重要になってきます。そこで、運動器障害を包括的に捉えたロコモティブシンドローム(ロコモとも略しますが,この言葉は造語です)の概念が2007年に日本整形外科学会により提唱されました。
ロコモの定義は、「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」とされ、進行すると要介護状態になるリスクが高くなるとされています。ここで「運動機能の障害」とは、主に加齢に伴う運動の低下と運動器疾患を指し、移動機能とは立ち座り、歩行、階段昇降など身体の移動に関わる機能を意味しています。

Ⅱ ロコモティブシンドロームが提唱された社会的背景はどのようなものか
 
①寿命の伸びと高齢者の増加
 2013年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男女ともに80歳を超えました。寿命の延びに伴い、高齢者人口も増えています。わが国は2007年に高齢化率が21%を超えた後も高齢化が加速していて、2014年9月の総務省の発表では高齢化率は25.9%に達しています。今後、2025年には30.3%、2060年には39.9%に達すると試算されています。

②要支援・要介護者の増加
 高齢者人口の増加と共に、介護が必要な高齢者が増え続けています。介護保険制度が始まった2000年における要支援・要介護認定者は220万人でしたが、2010年には500万人を超え、2014年には580万人に達しました。今後もこの人数は増え続けると考えられます。

③加齢に伴う運動器疾患の増加
 中高年者に多い運動器疾患は、変形性関節症、変形性脊椎症とそれに伴う脊柱管狭窄症、骨粗鬆症とそれに伴う脆弱性骨折です。変形性腰椎症に3790万人,変形性膝関節症に2530万人,骨粗鬆症に1280万人罹患しているとされ、この3疾患のうちの少なくともひとつに罹患している高齢者は4700万人と推計されています。さらに、これらの運動器疾患を重複罹患している人は多く、約半数の2470万人が複数の運動器疾患を有しているとされています。

④要支援・要介護認定要因としての運動器の重要性
 2013年の厚生労働省「国民生活基礎調査」によると、要支援・要介護認定の原因疾患は、脳血管疾患21.5%、認知症15.3%、高齢による衰弱13.7%、転倒・骨折11.8%、関節疾患10.9%、脊髄損傷2.3%でした。運動器の障害を合わせると、25.0%隣、脳血管疾患、認知症を上回ります。運動器の障害、特に転倒・骨折を予防することは、介護予防に重要です。

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