再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2024年10月20日

中性脂肪と動脈硬化症(その2)

0

Ⅲ 高中性脂肪血症と脳卒中
 
高中性脂肪血症と脳卒中に関する研究も、虚血性心疾患ほどではありませんが報告されています。高中性脂肪血症脳卒中、中でも脳梗塞との関連に関するエビデンスも、虚血性心疾患と似たような検討の歴史をたどってきています。高中性脂肪血症だけで検討すると有意な関連ありと認められても、既知の危険因子で調整すると関連が見られなくなったとする報告もあれば、多変量解析でも有意な関連を認めたという報告もあります。また、虚血性心疾患の場合と同様に、空腹時中性脂肪値と食後中性脂肪値で脳梗塞の予測能に違いがあるという指摘もあります。これまでで最も大規模な高中性脂肪血症と脳卒中に関する調査研究によると、中性脂肪と脳卒中の有意な関連が認められています。
 このように観察研究による報告では、高中性脂肪血症と脳梗塞に関連ありとする報告の方が多いのですが、因果関係に関するエビデンスを無作為解析すると虚血性心疾患とは異なる結果が報告されています。欧米人16,851人の脳梗塞症例と32,473人のコントロールのデータの比較では、遺伝的に上昇した中性脂肪値と脳梗塞の関連はないとのことでした。しかし、脳梗塞の中には虚血性心疾患(粥状動脈硬化)と病態の異なるラクナ梗塞や脳塞栓が含まれるため、脳梗塞の病態別の検討が必要と考えられます。

Ⅳ おわりに
 
高中性脂肪血症の血漿は、乳白色に白濁していて見るからに動脈硬化を起こしそうな印象を受けます。これに反して、高コレステロール血症の血漿は麦藁色の透明な血漿なので、一見すると、この血漿が動脈硬化を促進するとは想像できません。この二つの異なる病態のいずれもが動脈硬化に促進的に働くと考えられています。 

一覧に戻る
この記事が最新です
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日