再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2018年1月9日

大災害に備える(その1)

0

Ⅰ はじめに
 
 関東大震災や東海大地震などの危険性が叫ばれています。地震大国の我が国は何時、何処に大地震がくるのかわかりません。東海大地震や南海大地震などの危険性が叫ばれている東海地方に住むものとして、これらの大震災による被害はとても他人事には思えません。
 もしも、このような大災害に遭遇したときに、糖尿病患者はどのようにしたらよいのかを、阪神淡路大震災を実地調査した日本糖尿病学会の報告書と、その後に起きた中越大震災での実際を教訓にして考えてみます。

Ⅱ 中越大震災の被害状況
 
 平成16年10月23日午後5時56分に、震源地深度13Km、マグニチュード6.6、最大震度7、計測観察史上最大の最大加速度1750ガルを記録した、阪神淡路大地震よりも強い直下型地震が中越地方を襲いました。ちょうど土曜日の夕方でした。震度4~3の余震はその後約3ヶ月間も続きました。
 5ヶ月後の震災死者(行政認定)は46名で、糖尿病患者は88歳の男性一名のみで、その死因は栄養障害と糖尿病の悪化による腹膜炎と腸閉塞でした。死者数が阪神淡路大震災に比べると極端に少なかったのは不幸中の幸いでしたが、ライフラインが途絶したため、避難者は約10万人、住宅損壊は約9万棟に上りました。

Ⅲ阪神淡路大震災による日本糖尿病学会の調査報告書の提言
1)薬物供給対策の必要性
 阪神大震災では糖尿病患者の約3割(インスリン注射液がない19.1%、内服薬を紛失した11.7%)が薬物供給を遮断されました。中越地震でも多くの患者が糖尿病薬や高血圧薬などの常備薬が家屋損壊のために持ち出せませんでした。中越地震では救護班の初動は早かったのですが、救護班の処方薬は「通常の感冒薬、創処置時の消毒薬と抗生物質まで」と行政的に決められていたために、糖尿病薬などの慢性疾患薬処方はすべて主治医の処方箋が必要でした。
 中越大震災では大部分の医療機関が機能していたので大きな問題にはなりませんでしたが、阪神大震災の時は患者の手元に医薬品が届くのに数日かかりました。救護班でもインスリンなどの慢性疾患薬が入手できるような法令の改正と体制作りの必要性が叫ばれていますが、患者も自衛策として数日間分の医薬品を直ぐに持ち出せる場所に備蓄しておく必要があります。
 阪神大震災の経験では、インスリンなどの医薬品は3日以内に殆どの罹災者の元に届けられていますから、最低限3日分の予備薬を準備していればいいでしょう。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日