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2021年4月26日

時間栄養学を応用した食事療法(その2)

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Ⅲ 遅い夕食や夜食は不利
 
視交叉上核(CNS)の中枢時計は消化管、肝臓、膵臓などの消化器系臓器や脂肪組織にある末梢時計と同調して24時間の概日リズムを形成し、1日の栄養素の代謝とエネルギー利用を適正に調節しています。この同調によりコルチゾールやカテコラミン、インスリンの基礎分泌などの各種ホルモンの日内変動、糖・脂質代謝の時間的変動が規定されていますが、このリズムに逆らった食事の取り方は肥満や血糖上昇を招く可能性があります。
 1955年にStunkardらは食事療法に抵抗性を示す肥満患者から、ある共通の特徴を見出し、「night-eating syndrome:NES(夜間摂食症候群)」という疾患概念を発表しました。これは、①朝の無食欲、②夜間の過食(夕食以降に1日の総エネルギー量の25%をさらに摂る)、③不眠症の3徵を示す疾患群のことでした。その後NESの疾患概念は多くの議論が重ねられ、2010年に診断基準が作成、提唱されました。
 その中で主要な基準項目として、①1日エネルギー量の25%以上の夜食を摂る、②不眠傾向、③朝の食欲低下、④抑うつ症状などが挙げられています。713例の1型および2型糖尿病患者を対象にした、夕食以降に1日のエネルギー量の25%を超える夜食を摂る症例に関する調査によると、夜食摂取群では血糖コントロール不良、肥満、2つ以上の合併症を有する割合が有意に高率で、不眠や感情障害、うつ傾向も有意に高率であったとされています。夜食をとる行動に至る原因が精神・神経科的な疾患が関与しているのか、根底に日内リズムの変調があるのか否かは別にして、遅くて多い夕食や夜食が結果として肥満と血糖コントロール悪化を招く危険性があると考えるべきでしょう。

Ⅳ 午前中はインスリン感受性が低い
 
1日の血糖値の動きは毎食前の空腹時は低く毎食後に上昇するという3峰性のパターンを示します。糖尿病でない正常人は食後1時間値が高くなり食後2時間で空腹時と同じレベルまで低下しますが、糖尿病患者では食後2時間でも血糖値は空腹時まで回復することなく、高値を維持しているのが特徴です。さらに、糖尿病患者の1日の血糖値の動きをみてみると、朝食後1時間の血糖値が1日の中で最も高いことが判りました。これは、午前中のインスリン感受性が1日の中で最も低いことを示しています。この理由としては、第1はインスリン拮抗ホルモンとインスリン分泌バランスの異常が挙げられます。インスリン拮抗ホルモンであるカテコラミンとコルチゾールは日中高く、夜間は低下するという日内リズムがあります。これらのホルモンは午前4から5時頃から急激に上昇し始めます。インスリン基礎分泌も1日を通して一定ではなく、厳密には2つの拮抗ホルモンに同調して変動しています。インスリン基礎分泌が低下している糖尿病患者では早朝の拮抗ホルモン上昇に同期した上昇が不十分なため、午前中は拮抗ホルモンの作用が相対的に強まり、インスリン作用が妨害されやすいのです。(この項続く)

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