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2026年1月5日

糖尿病とかゆみ(その2)

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Ⅲ 腎障害に伴うかゆみ
 
慢性腎不全患者の10~30%に全身性の皮膚掻痒症が起こります。さらに、人工透析が行われるようになると、80~90%に強いかゆみが生じるようになります。透析患者にみられる皮膚症状で最も多いのがドライスキンで全体の90.9%、次いで色素沈着が89.1%、かゆみが3番目で83.6%、その他発汗異常、爪の異常、脱毛、疣贅などがあります。これらの中で最も患者さんの生活の質を低下させるのがかゆみです。新潟大学の報告では、維持透析患者2,474人の内、約73%がかゆみを訴えていて、その内約48%が毎日のかゆみを、約43%が中等度~重度のかゆみを、約13%は夜も眠られないかゆみに悩まされているとのことでした。
 透析によって増強するかゆみの原因として、これまではドライスキン、血中マグネシウム、カルシウム、リンのような2価イオンの蓄積、二次性副甲状腺機能亢進、ヒスタミンの活性化などが推定されていましたが、これらのいずれもかゆみとの相関が認められないことや、これらに対する治療によってもかゆみが抑制されないことから、いずれも無関係と考えられています。
 最近、透析により生じるかゆみは中枢性機序によるもので、オピオイドが関与していることが明らかにされました。オピオイドが関与するかゆみは、腎不全をはじめとする腎障害や肝硬変などの肝疾患でも認められています。
 オピオイドには4種類のレセプターがあり、このうちかゆみに関与しているレセプターにβ-エンドルフィンなどが結合するとかゆみが誘発され、またかゆみを抑制するレセプターにダイノルフィンAというオピオイドが結合するとかゆみが抑制されます。かゆみが発現するかどうかは、どちらが優位であるかで決まります。これらのかゆみを誘発するレセプターに作用してかゆみを和らげる薬が開発されています。
 透析患者では、かゆみを誘発するβ-エンドルフィンの血中濃度とかゆみスコアが相関しています。透析患者ではかゆみを誘発するオピオイド系が抑制するオピオイド系よりも優位になってかゆみが生じることが判ってきました。かゆみを抑制するレセプターに作用してかゆみを和らげることができる薬が開発されています。
 腎障害、特に透析に伴うかゆみにはオピオイドが関係することが明らかになり、その治療薬も開発されています。一方、糖尿病のかゆみのメカニズムはまだほとんど判っていませんが、従来のかゆみ止め薬である抗ヒスタミン薬が効かない難治性のかゆみであることは腎障害のかゆみと同じです。一日も早い治療薬の開発が待たれます。

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