再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2016年1月25日

糖尿病とフードファディズム(その1)

0

Ⅰ 健康食品ブーム
 
 「健康食品」という言葉をあちこちで耳にします。それでは、「不健康食品」というものが存在するのでしょうか。
 厚生省の出した、「健康づくりのための食生活指針」には、「栄養素を過不足なく取ること、ただ一種類の食品ですべての栄養素を必要なだけ含んでいるものはなく、数多くの食品を、種類の異なる食品群から幅広くとることによって、栄養素をバランスよく摂取できる」とあります。
 ところが、「健康食品」といわれると、普段から食物に関心の強い糖尿病患者さんは、少々値段が高くてもそれに飛びついてしまい、それに傾倒してしまう人が少なくないようです。

Ⅱ フードファディズムとは
 
 「フードファディズム」とは耳慣れない言葉ですが、「食物や栄養が健康や病気に与える影響を過大に信じたり評価すること」と定義されます。これには、特定の食品を万能薬のように推奨することも、ある食品が有害であるかのように排斥することも含まれています。アメリカでは1950年代にすでにこの問題が取り上げられています。
 テレビでも健康番組がたくさん放送され、「クロレラが糖尿病によい」とか、「たまねぎが血糖値を下げる」などといわれると、患者さんはたちまちその情報に飛びついてしまうようです。外来で血糖値が下がって糖尿病のコントロールがよくなったときに、治療が上手く行っていますねとお話しすると、「実は…を食べるようになったのです」と自慢げに話し出す患者さんも少なくありません。しかし、大抵は医師に内緒でマスコミ情報や友人からの口伝えで、「効く」という食品をあれこれ漁っているのが実情のようです。そうでなくても糖尿病の患者さんは食物に大きな関心を持っているわけですから、○○医学博士が推薦したとなると、すぐさまそれに飛びつき、時には信仰に近い扱いをすることもあるようです。

Ⅲ フードファディズムにはどんなものがあるのか
 
フードファディズムは大体次の3つに分類できます。

1)食品や食品成分に「薬効」を期待させ、治療に使う。
 ⇨その食品を食べさえすれば糖尿病がよくなるというもの
  例えば、タマネギ、クロレラ等。

2)万能薬的効能をうたう目新しい食品を流行させる。
 ⇨糖尿病に関係する食品としては、紅茶きのこ、アマチャヅル、ウコッケイの卵、黒酢、ギムネマ、柿の葉茶、ギル茶、酢卵、等。  

3)食品を非常に単純に、「体によい」と「体に悪い」と決めつける。
 ⇨白砂糖はよくない、黒砂糖は良い、自然食品は体によい、農薬を使ったものは体に悪い、等。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日