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2024年4月22日

糖尿病と心不全(その2)

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Ⅲ 2型糖尿病患者の心不全の診断 

2型糖尿病と高齢、長い櫂病期間、インスリン使用、冠動脈疾患の既往、慢性腎臓病、そしてHbAlc高値は心不全発症の独立した危険因子です。
症状としては、労作時息切れ、動怪、倦怠感、下腿浮腫、夜間頻尿あるいは夜間発作陛呼吸困難並びに起座呼吸などがあります。労作時の倦怠感や夜間頻尿は”歳のせい”と思われがちで、見逃しやすい症状のひとつです。急な体重増加も心不全による体液貯留の可能性もあります。このような症状が現れたら,積極的に循環器専門医による診察を受けるようにしなければなりません。 

Ⅳ 2型糖尿病患者の心不全治療は非糖尿病患者と同じ 

2型糖尿病患者に合併する心不全治療の基本は、非糖尿病患者と同じく、生活習慣の改善です。体重コントロールと有酸素運動、そして、骨格筋量を維持するための低レジスタンス運動は必須です。さらに、6g/日の塩分制限も行います。薬物療法としては利尿薬、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬ならびにミネラルコルチコイド受容体措抗薬などがあります。 

Ⅴ 心不全患者における糖尿病治療薬の選択 

1)血糖コントロールだけでは心不全を予防できない 
心不全の一次予防における血糖コントロールの有効性には否定的な意見が多く、HbA1cの正常化を目指した、強化血糖降下療法では心不全による入院リスクを低下させることなく、逆に心不全を悪化させる危険性も指摘されています。 

2)糖尿病治療薬と心不全
  スルフォニル尿素薬、インスリン、チアゾリジン誘導体は心不全発症リスクを高める可能性が指摘されていますが、適正な使用でその危険性は回避できるとされています。 
  SGLT2阻害薬は心不全による入院を減少させるとの報告が相次いでいます。その機序として、1)利尿による血行動態の改善(Na利尿と浸透圧利尿)、2)心筋エネルギー代謝の改善、3)神経性体液因子の抑制、4)全身の代謝状態の変化、などがあげられています。
  また、メホルミンは我が国では心不全に対して禁忌とされていますが、欧米では心不全でも安全に使用できるとされています。α-グルコシダーゼ阻害薬は心筋梗塞抑制に対する有効性が報告されていますが,心不全に 対する成績はまだありません。

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