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2017年9月25日

糖尿病をもたらす病気(その2)

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Ⅲ 内分泌疾患による糖尿病

1)末端肥大症
 成長ホルモンは血糖値を上げる働きがあります。この成長ホルモンの過剰分泌が原因で起こる末端肥大症では、当然のことながら、糖尿病を合併します。末端肥大症患者の約40%が糖尿病を合併し、約35%も患者が境界型糖尿病になります。正当ホルモンの分泌量が多いほど、また末端肥大症の罹病期間が長いほど糖尿病になりやすいようです。
 しかし、下垂体腫瘍摘出術による根治治療が行われたり、成長ホルモンの分泌を抑える働きのあるホルモンによる治療を受けて、成長ホルモンの分泌が低下すると、末端肥大症による糖尿病は速やかに治癒します。
 
2)クッシング症候群
 腎臓の上にある副腎という小さな臓器から分泌されるコルチゾールというステロイドホルモンの過剰分泌が原因で起こるクッシング症候群でも糖尿病が高頻度にみられます。クッシング症候群患者の約52%が糖尿病を合併し、約34%が境界型糖尿病になります。
 グルココルチコイドとよばれるホルモンは、膵臓からのインスリンの分泌を抑えると同時にグルカゴンの分泌も増加させます。このために、糖尿病になるのです。

3)褐色細胞腫
 副腎の良性腫瘍である褐色細胞腫はノルエピネフリンやエピネフリンというカテコラミンを過剰に分泌します。カテコラミンは血糖値を上げる働きがありますから、この病気でも糖尿病が合併します。褐色細胞腫患者の約40%が糖尿病になり、約50%が境界型糖尿病になります。
 
Ⅲ 異常インスリン血症
 
 これは常染色体優性遺伝による病気です。この遺伝子を持った人はインスリン遺伝子の異常により、正常なアミノ酸配列を持ったインスリンが作られせん。異常なインスリンはインスリンレセプターへの結合が低下するために糖尿病になります。この病気は日本人に多く報告されていて、インスリン和歌山やインスリン栃木と呼ばれる異常インスリンを持つ家系が報告されています。

Ⅳ インスリン受容体異常症
 
 インスリンというホルモンが正常に働くためには、インスリンが細胞膜の表面にあるインスリン受容体(レセプター)と正常に結合する必要があります。このレセプターの異常には、レセプターとインスリンが正常に結合できないタイプと結合は正常だが、レセプター以降の働きが異常なためにインスリンの働きが正常に行われないタイプがあります。

Ⅴ この他の異常による糖尿病
 
 一番多いのは、薬物により糖尿病が誘発されるものです。また、希ですが一部の遺伝子病にも糖尿病を合併するものがあります。
 糖尿病と診断するときには、このような他の病気が隠されていないかも考える必要があるのです。

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