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2017年9月19日

糖尿病をもたらす病気(その1)

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Ⅰ 糖尿病をもたらす病気とは
 
 WHO(世界保健機構)は糖尿病をその成因によりいくつかの型に分類しています。自己免疫異常によりインスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊されてしまい、インスリンが分泌できなくなるために糖尿病になるタイプを1型糖尿病、インスリン抵抗性が原因で中年以降に発症する2型糖尿病などはよく知られています。WHOの分類にはこの他に、「妊娠糖尿病」や「特殊な病態や症候群に伴うその他の糖尿病」という分類があります。糖尿病をもたらす病気にはどのようなものがあるのでしょうか。

Ⅱ 膵疾患による糖尿病
 
 急性膵炎、慢性膵炎、膵癌などの膵摘徐術後などの膵疾患に伴って糖尿病が発症します。急性膵炎では、約20~50%の患者さんに一過性の高血糖が出現します。これは、膵外分泌腺の炎症が内分泌腺に波及するためにインスリン分泌能が低下することと、膵炎による疼痛などのストレスでインスリンの働きに拮抗するホルモン(特にカテコラミンやグルカゴン)などが上昇するためです。
 慢性膵炎では、約50%の患者が糖尿病になり、約20%の患者が境界型糖尿病になるという調査結果があります。慢性膵炎に合併する糖尿病の特徴は、膵外分泌腺の炎症が内分泌腺にも波及するため、インスリンの分泌能が低下するばかりでなく、グルカゴン(インスリンとは逆に血糖値を上げるように働くホルモンです)分泌能の低下も同時に起こることです。このため、低血糖が起こりやすくなり、血糖コントロールが非常に不安定になります。
 膵癌で膵臓を摘出された場合も、インスリンを分泌する臓器がなくなるわけですから糖尿病が発症します。このときに不思議なのは、多くの場合はインスリン注射が必要なのですが、なかにはインスリン注射がいらない程度の糖尿病だったり、あるいは全く糖尿病にならないケースもあるということです。

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