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2015年2月2日

糖尿病を治療するとは勉強すること

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糖尿病患者の皆さんが、「あなたは糖尿病ですよ」と、初めて医者からいわれたとき、どんな気持ちがしたのでしょうか。

「親も糖尿病だったから、ついに自分にも出たか」と受け止めた人もいれば、「大変なことになった」と思った人もいたでしょう。また、「糖尿病という病気が何だか判らなかったので、何とも思わなかった」という人もいるはずです。

糖尿病という病気は、はじめの内は「痛くも痒くもない」病気です。いつ自分が糖尿病になったのかさえ、判らない人が大勢います。「医者は病気だというが、食欲もあるし、体力の衰えも感じない。自分が病気とはとても信じられない。むしろ、医者がやかましくやせろやせろといって、食事を制限するものだから、力が入らなくて困る。医者のいう通りにしていると、かえって病気になってしまう。」という患者さんも、あなたの周りに大勢いるはずです。

このように、糖尿病という病気は多くの場合、はじめの内は何の自覚症状もなく過ぎて行きます。きちんと治療している人と、やりたい放題をしている人との間には何の差もでてきません。しかし、糖尿病が原因で起こる慢性合併症は、その間もゆっくりと、しかも確実に進行しています。患者さんが自分に合併症のあることを自覚したときには、その病変は元の正常な状態に戻すことができない段階にまで進行してしまっていることが多いのです。糖尿病の合併症への対応が遅れたために、糖尿病性網膜症による失明や、糖尿病性腎症による腎不全のために人工透析を受けなければならない等、その人の人生を大きく変えてしまう事態にまで至ることも少なくありません。

ここに糖尿病の恐さがあります。ここに何故、患者の皆さんが、糖尿病について勉強しなければならないのか、という理由があるのです。

糖尿病は、残念ながら今の医学では、完全には治すことができない病気です。医者がくれた糖尿病の薬さえ飲んでいれば、後は何をしても構わない、というようなわけにはいきません。糖尿病の薬には限界があります。今の医学のレベルでは、残念ながら血糖値を完全に正常化する治療方法はないのです。

しかし、糖尿病と上手に付き合って行けば(このことを「糖尿病をコントロールする」と私達は表現します)、慢性合併症の発症を防いだり、その進行を遅くすることができます。別の言葉でいうと、今の医学では糖尿病の治療に限界があるので、その足りない部分を患者さんの努力で補ってもらおうというのです。

このためには患者さんが、糖尿病とはどういう病気で、どうすれば良いのか、「糖尿病をコントロールする」とはどういうことなのか、ということを正しく理解して、正しく実行する必要があります。

糖尿病の治療は、糖尿病とはどんな病気なのかを学び、更に、糖尿病とどう付き合えばよいのかを勉強することから始まるといっても、決して過言ではありません。

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