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2015年8月24日

糖尿病性神経障害(その2)

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2)単神経障害
 糖尿病の血糖コントロールの悪い人が、ものが二重にみえるようになることがあります。これは眼球を動かす筋肉を調節している動眼神経の麻痺で病気です。このように筋肉を動かす運動神経が障害されることもあります。この他にも、顔面神経麻痺や大腿神経麻痺が起こることもあります。神経を栄養している血管の閉塞が原因だとされています。
 この神経障害の経過は良好で、多くの場合数カ月以内に治ります。

3)自律神経障害
 自律神経は生命の維持を司る神経ですから、この神経の障害は、日常生活を円滑に送る障害になります。自律神経障害には、次のようなものがあります。
A 起立性低血圧(たちくらみ):高血圧の治療を難しくします。
B 発汗異常:体は汗を沢山かくのに、手足が乾燥します。足が乾燥してがさつくと、靴擦れの原因にもなります。
C 胃無力症:胃や腸管のぜん動機能が悪くなり、いつまでも食物が消化管の中に停滞します。このため、食物の吸収が不規則になり、血糖コントロールが不安定になることもあります。胃カメラ検査の時に、前日の夕飯が残っていたということもあります。
D 便通異常:腸管の機能異常が原因で、激しい下痢が続いたかと思うと、頑固な便秘に悩まされる、ということを繰り返します。 
E 排尿障害:膀胱を収縮する力が低下するため、正常な排尿ができなくなります。残尿が多いと、尿路感染症の原因となります。
F インポテンツ:この中には心因性のものも含まれます。
G 無自覚性低血糖:低血糖になっても、典型的な症状が判らなくなり、危険です。

Ⅲ 糖尿病性神経障害の治療法
1)血糖コントロール:糖尿病治療では良好な血糖コントロールが治療の基本です。
2)薬物療法
A アルドース還元酵素阻害薬(キネダック):血糖コントロールが悪いと、ソルビトールという物質が過剰に蓄積して神経障害を起こすと考えられています。この薬はソルビトールの過剰蓄積を改善して神経障害を治します。
B ビタミンB12(メチコバール):ビタミンB12は末梢神経の再生に有効です。
C デュロキセチン(サインバルタ):本来は抗うつ薬として開発された薬です。有痛性神経障害やシビレに有効です。
D プレガバリン(リリカ):帯状疱疹後遺症の神経障害性疼痛の治療薬として開発された薬です。痛みが激しい神経障害に有効です。
E 芍薬甘草湯:漢方薬です。こむら返りによく効きます。

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