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2020年2月17日

糖尿病性黄斑症について(その1)

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Ⅰ はじめに
 
糖尿病黄斑症は、網膜の中央部にあり、ものを診るために最も重要な部分である黄斑に、毛細血管竜や毛細血管からの漏出により浮腫が生じる状態です。黄斑に障害が生じると、どんなに僅かな障害でも、必ず資料障害が生じます。黄斑部以外の網膜の障害では、かなり網膜症が進行しなければ視力障害が起きないことを考えると、黄斑症がどれほど重要な病気であるかが理解できると思います。この黄斑症は糖尿病性網膜症の初期の段階から発症することもあり、遷延すると不可逆的な視力障害をきたします。

Ⅱ 糖尿病性網膜症の分類
 
まず、糖尿病性黄斑症の理解を深めるために、もう一度網膜症について整理してみます。
糖尿病性網膜症は、病気の進行の程度のより分類されています。この分類方法には、福田分類やDavis分類などがありますが、Davis分類が一般的に用いられています。

1)単純網膜症
 初期の糖尿病性網膜症のことです。主な所見は細小血管の循環障害により生じますが、この時期はまだ血管閉塞はありません。この単純網膜症は、さらに軽症と中等症に分類されます。
 
a 単純網膜症・軽症:毛細血管竜と網膜症出血のみがある時期のことで、視力障害はない。
B 単純網膜症・中等症:軽症の所見に加え、硬性白斑や網膜浮腫があります。

2)増殖前網膜症
 血管閉塞が生じて、網膜無灌流領域が形成されます。軟性白斑や、血管閉塞領域に隣接して発生する細静脈との短絡血管と定義されている網膜内細小血管異常(intraretinal micro- vascular abnormalities:IRMA)、静脈の数珠状拡張やループ形成などの所見があります。まだこの時点では、新生血管はありません。

3)増殖網膜症
 無灌流領域が拡大して、虚血網膜からVEGFという血管増殖物質が放出されることにより新生血管が生じます。新生血管の破綻で硝子体出血が生じたり、新生血管の周囲にコラーゲンやグリア細胞が集積することで繊維血管性増殖膜が形成され、網膜と強く癒着して、収縮により牽引性網膜剥離をきたします。

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