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2020年12月7日

緑内障について(その1)

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Ⅰ はじめに
  
眼圧は、眼内液(房水)の増減により調節されています。毛様体から分泌された房水は、まず虹彩と毛様体とレンズ(水晶体)の間の空間である後房に放出され、虹彩とレンズの間を通り抜け、瞳孔を通って角膜と虹彩の間の空間である前房(前眼房ともいう)にでます。前房に入った房水は、虹彩と角膜の結合部分である隅角にある線維柱帯からシュレム管を通過することで眼球外に排出されます。つまり、毛様体における房水の産出量と、シュレム管における房水の排出量のバランスで眼内圧は調節されているのです。
 正常な眼圧は11~21mmHgの範囲にありますが、この数値であれば誰もが健康とは限りません。眼圧が正常でも、視神経に障害が現れる場合があります(正常または低眼圧緑内障)。反対に眼圧が21mmHg以上でも視神経障害の現れない患者(高眼圧症)もいます。緑内障はわが国における後天的失明原因の第1位です。

 Ⅱ 緑内障の分類
 
緑内障は流出障害の機序により、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障に分類され、さらに原発性または続発性という病因に基づく分類が加わります。一般的に、緑内障は急性緑内障(原発閉塞隅角緑内障)と慢性緑内障(原発開放隅角緑内障)に分けられます。

Ⅲ 急性緑内障について
 
急性原発閉塞隅角緑内障(急性緑内障発作)は短期間に失明につながる重篤な雁疾患です。主に中高年の女性に発症し、眼痛、かすみ眼などの眼症状に、激しい頭痛、吐き気などの全身症状を伴います。

1)背景因子
 急性緑内障を含めた原発閉塞隅角緑内障の背景因子としては、
①高齢(60才以上)
②女性(男性の2~3倍)
③遠視眼(小眼球:球自体が小さいことで前房が小さく、隅角が狭くなり閉塞が起こりやすい)
④アジア系人種(日本を含む)
などが挙げられます。

2)発症様式
 それまで全く眼科通院歴のない正常な眼(もちろん遠視や小眼球、高齢の女性)に突然発症します。特に、急性発症の契機になるのが散瞳(虹彩が厚くなり、狭い隅角が閉塞する)で、風邪薬、アトロピン、ブスコパンなどの交感神経作動薬、副交感神経遮断薬の使用には注意が必要です。

3)治療
①高浸透圧利尿薬(高浸透圧作用で眼内、特に硝子体容積を減少させて眼圧下降を図る)
②房水産生抑制薬
③縮瞳薬
④外科的治療(周辺虹彩切除、レーザー周辺虹彩切開、超音波白内障手術)

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