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2025年3月17日

腸内細菌と糖尿病(その2)

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Ⅳ 1型糖尿病と腸内細菌叢
 
近年、1型糖尿病でも、宿主の免疫応答と腸内細菌叢との関連を示す研究結果が数多く報告されています。1型糖尿病モデルマウス(NODマウス)を無菌環境で育てると1型糖尿病を発症しやすいこと、グルテンを含まない食事は含む食事に比べてアッカーマンシア・ムシニフィラという腸内細菌の増加およびNODマウスでの糖尿病の発症率を減少させることが示されています。この腸内細菌叢が1型糖尿病の発症に影響を与えるメカニズムの一つとして、腸内細菌叢の変化が自然免疫系と適応免疫系の両方を含む免疫応答の調節障害を引き起こし、それにより最終的に膵β細胞が破壊され、個々の遺伝的な素因に基づいて1型糖尿病の発症に繋がると推測されています。
 一方で、1型糖尿病のモデルラット(BBDPラット)の糖尿病発症前の腸管の特徴として、消化管粘膜上皮細胞間の結合機能維持を担うクローディンというタンパク質の発現が低下し粘膜バリア機能が障害されていること、およびミエロペルオキシダーゼという酵素活性や杯細胞と呼ばれる粘液分泌細胞の密度が上昇していることが示されました。このことから、微生物およびその生成物などの微生物抗原が消化管粘膜上皮を通過し、抗原提示細胞によって認識しやすくなり、抗原提示細胞が自己反応性T細胞に抗原提示することで、膵β細胞の破壊を促進するという機序が考えられています。

Ⅴ 腸管細菌叢をターゲットとした治療

1 プレ/プロバイオティクス
 プレ/プロバイオティクスを用いた糖尿病・メタボリックシンドロームに対する治療法については、これまで多くの検討がなされています。プレバイオティクスとして、難消化性オリゴ糖は、ヒトにおいて血清脂質・血糖を低下させる代謝改善効果があることが明らかにされていて、治療薬への応用が期待されています。一方、プロバイオティクスとして、ラクトバチルス属のラクトバチルス・プランタラムはマウスで脂肪細胞の成熟化を抑制して脂肪量やBMIを低下させ、インスリン感受性を上昇させることが示されています。また、過体重もしくは肥満にインスリン抵抗性を認めるヒトを対象とした試験で、アッカーマンシア・ムシニフィラ投与群はインスリン抵抗性の改善、血中インスリン血・総コレステロールの低下、および体重・脂肪量の減少が認められました。

2 糖尿病治療薬
 糖尿病治療薬であるビグアナイド系薬剤(メトホルミンなど)が肥満モデルマウスでアッカーマンシア・ムシニフィラを増加させること、消化管粘膜バリア機能を担うムチン粘膜層の形成に不可欠な胚細胞数を増加させることが、近年報告されました。ビグアナイド系薬剤が腸内細菌叢を制御することで、糖尿病および肥満の病態を改善する可能性が示唆されています。

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