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2018年7月9日

自転車運動について(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 糖尿病や肥満治療では、減量のための運動として、一般的に筋力を維持したり、筋力を増強するために適度なレジスタンス運動とともに全身の筋肉を使う有酸素運動が勧められています。
 有酸素運動として最も一般的なのが歩行です。確かに歩行は、「いつでも、どこでも、ひとりでも」行うことができて、運動強度も脈拍を測定することで容易に調節できるという、最大の利点があります。
 しかし、減量が必要な過体重(小太り)や肥満患者が、減量効果を得るのに必要な消費エネルギーを獲得できるまで歩行運動を行うときに、必ずしも何の問題もなく、長期間歩行運動を継続できるとは限りません。過体重による膝関節や足関節の障害などという直接的な問題が起こる場合や、歩くことの単調さが原因で、歩行運動という運動療法が中断してしまっている患者さんも少なくないのです。
 歩行以外の有酸素運動としては、自転車運動や水中歩行が挙げられます。どちらの運動も下肢、膝関節や足関節に過体重の負荷が直接加重されないという利点のために、未満治療のための運動療法として適しているといえます。特に、自転車運動は、水中歩行と異なり、プールなどの特別の施設も不要なので、歩行運動と同じように、「いつでも、どこでも、ひとりでも」実施することができます。

Ⅱ 自転車運動の血糖コントロールへの効果
 
 ある医療機関で446名の糖尿病患者の運動習慣の実態について調査した結果では、運動する習慣がないと答えた人が334名(74.9%)、歩行運動を1日30~60分間程度、週3~4日以上している人は103名(23.1%)、自転車運動を1日20~40分間程度、週3~4日以上している人は9名(2.0%)でした。運動療法を定期的に実施している糖尿病患者さんが予想外に少なかったのと、自転車運動している人が極端に少ないという結果でした。
 血糖コントロールの結果を見ると、運動習慣のない患者さんたちの平均HbA1cは約7.5%だったのに対して、歩行習慣のある患者さんたちのHbA1cは7.1%前後で約0.3~0.4%低い値を示しました。また、自転車運動の習慣がある患者さんたちのHbA1cは約6.5%で、歩行習慣のある患者さんたちよりもさらに低いHbA1c値を示しました。
 この調査結果で面白かったのは、HbA1cの季節変動をみたところ、多くの患者さんたちの血糖コントロールは12月から3月までの冬の間が最も悪くなるパターンを示していました。自転車運動を行っている患者さんでこの傾向が特に顕著でしたが、これは冬場の自転車運動は風を切って行う必要があり、極めて寒くなるために、季節の善い初夏などに比べると自転車運動を行う回数が減るためと考えられました。

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