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2018年9月25日

運動と癌予防(その2)

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Ⅳ 運動習慣と癌の危険度との関係
 
 運動習慣の有無および他の生活習慣の特徴と癌の関係については、興味深い結果が出ています。
 男女ともに運動習慣のある人ほどすべての癌の危険度が低下していて、特に女性でその傾向が顕著に表れていました。癌の発生部位別にみると、男性では肝臓癌や肺癌で著しく、女性では乳癌で低下傾向が著しかったのですが、胃癌、子宮癌、卵巣癌でも低下傾向が認められました。
 習慣的に運動している人は他の健康習慣も併せ持っている場合が多いので、喫煙・飲酒習慣や食習慣などの癌の危険度に影響する主要な因子を調整して調べてみても、同様な結果が得られました。月3~4回以上の運動習慣ですべての癌の危険度が低下しました。男性では、肝臓癌と肺癌、女性では胃癌、結腸癌、乳癌と子宮癌が低下していました。

Ⅴ 動物実験で示された運動習慣と癌危険性の低下
 
 運動習慣による発癌危険度の抑制に関する動物実験でも興味深い結果が得られています。
 自由に運動できる装置内で動物を飼育して発芽実験を行うと、運動をさせないで普通に飼っている動物に比べて、発癌の危険性が著しく低下していました。しかし、電気刺激による強制運動を強いた場合には、むしろ発癌の危険性は増加していました。この理由は、自由に運動することで動物の体内では免疫能力が亢進するけれども、ストレスがかかる強制運動では逆に免疫能力が低下するためだろうと考えられています。
 このことは、運動が無条件に癌の抑制に作用しているのではなくて、適度な運動することで体内に発癌抑制に作用する機能を高め、間接的に癌の危険度を低下させている、ものと考えられています。
 これらの動物実験で示されたのは、運動を上手に行うことで癌の危険性を低下させ、発癌年齢を上げることで癌予防を試みることができるのです。

Ⅵ 適度な運動を楽しんで行う
 
 運動でも「過ぎたるは及ばざるがごとし」ということをしっかりと認識すべきでしょう。健康増進は適度な運動を持続した場合に効果があり、過度に運動負荷した場合には逆効果を生じるのです。運動は健康にとって両刃の剣の働きを示すので、話はそれほど単純ではありません。汗がにじむ程度の運動を30分以上持続して、楽しみながら週に2~3回以上行うことが、癌予防の観点からは勧められるようです。

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