再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2023年11月27日

運動療法と血糖の関係(その2)

0

Ⅲ 運動療法の導入にあたって 

運動療法を行う前にはリスクのスクリーニングが必要です。空腹時血糖値が著しく高い場合(250mg/dL以上)には、運動はむしろ血糖値を増悪させる場合があり、禁忌です。前増殖性網膜症以上の眼合併症がある症例では、運動で上昇した血圧が眼底出血を誘発するリスクが高いために禁忌です。心血管合併症があって、症状のある症例や罹病期間が10年以上、複数のリスク因子がある患者さんでは運動療法を始める前に運動負荷心電図などのスクリーニングが必要ですが、一般的には歩行を禁止するような症例は限られています。 

IV 有酸素運動の強度と目標値 

我が国では、ウォーキングが最もよく行われている有酸素運動です。有酸素運動を行う際に大事な要素に強度があります。運動療法を始めるときに目標は身体活動強度の中強度の中でもそれほどでもないもの(最大心拍数の50~60%:普通の歩行)を目安とします。最大心拍数は(220一年齢)で推測します。年齢を加味すると、50歳未満では100~120拍/分,50歳以 上では100拍/分未満を目安とします。 
身体活動の量としては、中強度の運動(最大心拍数の50~70%)を少なくとも週150分行うことが勧められます。歩数計で運動を管理する場合、週150分の身体活動は、毎日行うとして1日当たり約20分、歩数で2,000歩程度となり、第一の目標として現状よりもその量の分だけベースアップすることを目標とすると良いでしょう。最終的には総歩数8,000~10,000歩を目安とします。 
また近年では、不活動、座位行動を減らすということも重視されてきています。血糖改善のために30分ごとに座位を打ち切り、軽い運動をすべきだとアメリカ糖尿病学会は勧告しています。実際に。過体重から肥満で不活動の2型糖尿病で、30分ごとの3分の軽い運動(時速3.6Kmの歩行)か、自重によるレジスタンス運動(ハーフスクワット、カーフレイズなど1種目20秒を9セッション)で血糖値が改善したとの報告があります。 

V レジスタンス運動の役割 

レジスタンス運動は血糖コントロールだけでなく、筋力・筋量の増加効果も期待できます。糖尿病患者では健常者に比べて筋量低下が生じやすいともいわれていて、また筋力低下と認知症との関連も指摘されています。自重を利用したレジスタンス運動でも血糖コントロールが改善します。有酸素運動との組み合わせがより有効であることも明らかにされています。

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日