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2017年2月13日

食物繊維について(その1)

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Ⅰ 食物繊維とは
 
 食物繊維は、植物性食品に含まれ、ヒトの消化酵素では消化されにくい化合物から構成されている複合炭水化物のことをいいます。それらは主にセルロース、ヘミセルロース、ペクチンなどという複合多糖類および種々のガム累、粘質物質、藻類の多糖類などで構成されています。これらの化合物は、エネルギーとしてはほとんど利用できません。また、食物繊維には、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸や、ソルビトールやキシリトール(低カロリー甘味料として用いられています)などの糖アルコールから構成されているものもあり、これらはエネルギー源として若干寄与しますが、糖質、脂質、タンパク質のエネルギーに比べて低い価値しかありません。
 食物繊維は食事に不可欠で、腸の動きを刺激し、摂取カロリーを調節して、体重減少を促進することが知られています。さらに食物繊維は、コレステロール値および多くの心疾患の発症率を低減させるように働き、大腸癌の発症率および2型糖尿病の発症を低下させ、また血糖調節を改善すると考えられています。
 
Ⅱ 食物繊維と食事 
 
 食物繊維は、果物やナッツ類、豆類、野菜、穀物類などの植物性食品に含まれていますが、動物性食品は食物繊維の供給源とはなりません。食物繊維を添加して強化した食品には、植物起源の食物繊維を濃縮したものが使用されています。
 食物繊維含有量の低い食事は、健康上様々な問題を引き起こしますし、またその反対に食物繊維の過剰摂取も問題になることがあります。1日に合計60グラム以上の食物繊維を含む食事をすると、他の栄養素、特にビタミンやミネラルの吸収が阻害されて、欠乏症を引き起こします。また、過剰摂取は、腸の内壁を刺激して、下痢の原因ともなります。

Ⅲ 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
 
 食物繊維には大きく分けて水溶性および不溶性の二種類があります。どちらも食物繊維であることには変わりはありませんが、機能や特性にかなり違いがあり、異なった健康上の利点を有します。
 水溶性食物繊維は、消化管内で液体と混ざると、ゲル状になります。水溶性食物繊維には、果物に含まれるペクチンや、からす麦中のガム質、豆類などに含まれる食物繊維などがあります。消化管内で形成されたゲルは、小腸の動きを変化させ、放漫感や、栄養素の吸収に影響します。
 セルロースなどの不溶性食物繊維は、小麦ふすまや多くの野菜に含まれています。この食物繊維は便の量を増やし、食物の消化管内の大腸の通過速度を速めます。また、不溶性食物繊維は大腸癌など、ある種の癌の発症率を低下させると考えられています。

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