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2025年10月20日

香害について(その1)

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Ⅰ 香害とは

 最近、家庭用品から揮発するニオイによる健康被害に悩まされる人が増えています。こうした香りを伴う製品に含まれる化学物質による健康被害を「香害」と呼ぶようになりました。「香害」の被害者は、通りすがりの人から漂ってくる香水に嫌悪感を感じるなど一過性の害に悩む人から、集合住宅の近隣から毎日のように侵入してくる洗剤やタバコの煙による化学物質過敏症という深刻な病気にかかる人まで多様です。この「香害」の原因としては、日々家庭で洗濯の時に使用する柔軟仕上げ剤、消臭・除菌スプレー、制汗剤、芳香剤、合成洗剤など、主に香り付き製品のニオイがあげられます。多種類の有害物質が家庭用品から揮発して汚染された空気を吸い込んで起こる健康被害という意味で、「香害」は新しいタイプの空気公害ともいえます。

Ⅱ 「香害」の発生
 
2020年、国民生活センターは、柔軟剤のニオイによって健康被害を訴える相談が、2014年以降928件(78%が30~60歳代女性)も寄せられたと報告しています。生活空間の中で、集合住宅で、隣の家の洗濯物から流れてくるニオイで体調不良になる人、学校給食用白衣の柔軟剤のニオイで登校拒否になる子供など、香害は敏感な体質の子供の学習の機会さえ奪っているのです。こうしたニオイにまつわる昨今のクレームは後を絶たず、職場の隣人の香水や柔軟剤のニオイで退職を余儀なくさせられた人もいます。2020年7月、全国に香水被害者が7000人以上居ることが民間の調査で明らかにされています。とくに多くの若い女性がこの新たな公害に苦しみ、声を上げています。

Ⅲ 香害被害者7000人
 
2020年7月、「香害をなくす連絡会」は、「香り被害についてのアンケート」調査を実施しました。香りの被害があると答えたのは、女性回答者の85%、男性回答者の56%、30代(87%)、40代(83%)、60代以降(66%)で、若い世代に多くみられました。被害原因となった生活用品は、柔軟剤(86%)、香り付き合成洗剤(74%)、香水(67%)、除菌・消臭剤(57%)、制汗剤(43%)でした。症状としては、頭痛(67%)、吐き気(64%)、思考力低下(33%)、咳(32%)がありました。また、被害を受けた場所は、乗り物の中(73%)、店(63%)、公共施設(53%)、隣家からの洗濯物のニオイ(47%)でした。さらに、そうしたニオイに苦しみ離職する人、登校できない子供が、健康被害ありと回答した人の19%に上りました。

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