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2018年11月5日

高尿酸血症と運動療法(その1)

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Ⅰ はじめに
 
 高尿酸血症とは、血中尿酸値が男性で7.0mg/dl以上、女性では6.0mg/dl以上の高値を示す病態で、男性に多くみられます。この病気は自覚症状がほとんどなく、健康診断などで判明する場合がほとんどです。
 高尿酸血症の問題点は、痛風の誘因となることばかりでなく、長期間続くと心臓や脳の動脈硬化の誘因となり、心筋梗塞や脳卒中などを惹起することがあることです。また、腎盂腎炎や腎硬化症などの原因になったり、さらに尿酸が結晶化し腎結石や尿管結石を引き起こすこともあり、最悪の場合は腎不全に至ることもあります。

Ⅱ 高尿酸血症の発症率
 
 一般人の高尿酸血症発症率は、男性で6.2%、女性5.4%と年々増加する傾向にあります。この原因は、生活習慣(特に食習慣)の変化によるもので肥満との関係が指摘されています。
 興味深いのは、スポーツ選手での発症率が高いことです。プロスポーツの選手でみると、関取34.4%、引退後の親方集13.6%、野球34.0%で、一般人の5~7倍の発症率を示しました。アマでも重量挙げや柔道の世界選手権日本代表選手で63.5%を示し、東京オリンピック日本代表選手の17年後の調査では男性48.6%、女性43.8%が高尿酸血症でした。しかし、大学の運動部員になると野球が24.1%、テニス20.0%、バレーボール11.5%、柔道7.1%と低率でした。
 優秀なスポーツ選手の高尿酸血症や痛風の発症率が高いのは、高尿酸血症治療薬プリン体食の摂取過剰もその原因として考えられますが、連日の激しい運動による尿酸の産生亢進によるものと考えられています。

Ⅲ 高尿酸血症の原因
 
 正常な体内には尿酸が常時約1200mg存在しています。毎日約500mgが体内で産生され、約100mgが食事から摂取されています。一方、毎日約450mgが尿に、約150mgが腸に排泄され、毎日約600mgが均衡よく出納しています。
 尿酸の産生・摂取分の増加の原因としては、体内での過剰産生(激しい運動、ストレス、肥満などの疾患、薬の副作用)、高プリン食(旨味物質)の食べ過ぎなどがあります。
 一方、排泄分の減少の原因には、主に腎臓からの排泄不全、また薬の副作用(特に利尿型降圧薬)などがありますが、激しい運動、水分摂取不足、アルコール多飲(特にビールの多飲)も尿酸の尿からの排泄を阻害します。

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