再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2020年9月13日

高脂血症と食事療法

0

Ⅰ はじめに
 
食事療法は全ての患者さんが実践すべき脂質異常症治療の基本です。その目的は、①リポ蛋白代謝での負荷や障害の原因を取り除き異常を改善して、②合併症と動脈硬化の発症を予防しながら、③健康維持に必要な栄養素を充足させることにあります。

Ⅱ 過体重あるいは肥満の場合
 
体脂肪蓄積によりコレステロールと中性脂肪の合成が亢進するため、適正体重を維持するように努めます。これまでは適正体重(BMI22)1Kg当たり25~30kcalの食事カロリーを摂取するように指導してきましたが、日常生活を続けながらこの指示エネルギー量で食事療法を実行することが難しいことが多いので、現在摂取しているエネルギー量を計算して、それを段階的に10%位減じて体重減少を目指すと良いでしょう。
 油脂類と多脂性食品(種実類、菓子類、乳類、肉類)、糖質含有量の多い食品(穀類、いも類、菓子類、果実類、砂糖・甘味類、加糖飲料)およびアルコール(酒類)の摂取量が多いときは制限することが必要です。

Ⅲ 高LDLコレステロール血症
 
① コレステロール摂取過剰の場合
 高コレステロール含有食品(卵類、内臓類、イカ・たこ類など)の摂取が過剰な場合はこれらを制限します。コレステロールを1日200mg以下に制限して、1ヶ月後に再検査してLDLコレステロール値が低下していれば、食事療法に反応性ありと判断してコレステロール制限を継続します。

② LDL逆転送障害の場合
 飽和脂肪酸は血中でのLDLの停滞を招きます。乳類、肉類、動物性脂肪を控えて、飽和脂肪酸をエネルギー比率で7%以下に制限しましょう。一方、多価不飽和脂肪酸はLDLの組織への取り込みを促進してLDLを低下させます。植物油や大豆・大豆製品および魚類か多価不飽和脂肪酸を充足させると良いのですが、過剰摂取はHDLコレステロールの低下を招きます。

③コレステロール排泄能が低下している場合
 植物繊維が不足すると、胆汁酸の再吸収亢進を招きます。精白度の低い穀類、豆類、野菜類、いも類、海藻類、果実類を充足させます。

Ⅳ 高中性脂肪血症
 
n-3系多価不飽和脂肪酸は肝臓での脂質の合成を抑制します。脂肪の多い青魚類を積極的に取りましょう。果糖とアルコールの過剰摂取は肝臓での中性脂肪合成を亢進させます。注意が必要です。
 

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日