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2024年12月2日

高齢者糖尿病の病態(その1)

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Ⅰ 高齢者糖尿病の病態の特徴
 
2018年10月1日付けの我が国の人口構成(人口ピラミッド)で特徴的なことは、学童年齢人口が非常に減っていて、三角形ではなく65歳以上の高齢者人口が28.1%を占めていることです。我が国は2007年には既に高齢者人口が21%を超える超高齢者社会に突入していて、2040年には高齢者比率が40%に達すると予想されています。
 2016年の国民健康・栄養調査報告より糖尿病が強く疑われる者(HbA1c6.5%以上、あるいは糖尿病治療中)の推計は、この20年間で690万人から1,000万人に増えました。糖尿病の可能性を否定できないもの(HbA1c6.1%以上で糖尿病には至っていない方)を合わせると、2,000万人と糖尿病予備軍、糖尿病患者は確実に増えています。これは20歳以上全体の結果ですが、それに伴い高齢者糖尿病が増えていることを示しています。
 糖尿病比率は、20歳以上の成人男性で18.1%、60歳以上で19.8%と5人に1人、70歳以上で25.7%と4人に1人を占めていて、高齢者比率が高くなっています。女性の場合、70歳以上で5人に1人が糖尿病です。男女合わせると高齢者では6人に1人位が糖尿病となり、人口構成より高齢者人口3,500万人から4,000万人の内、高齢者糖尿病人口は比率から計算すると、700万人位と推計できます。

1)高齢者の特徴
 
一般的に高齢者は、非高齢者と比べて複数の疾患を併存していることが特徴としてあげられます。症状が非定型的で非常に多様性に富んでおり、個人差が大きい。また、高齢者は若年者とは薬物に対する反応性も異なり、老年症候群の合併頻度が高く、認知機能などの日常活動性が低下することなどが特徴です。

2)高齢者糖尿病における問題点
 「高齢者糖尿病治療ガイド2018」を参考に、一般的な特徴を糖尿病に置き換えて高齢者糖尿病の問題点を示すと、
・高齢期には糖尿病の発症頻度が高くなる
・食後高血糖や低血糖が発生しやすく、低血糖に対する脆弱性がある
・糖尿病性細小血管症、糖尿病大血管症の合併頻度が高い
・フレイル、サルコペニア、日常活動性低下、認知機能低下・認知症などの老年症候群の合併頻度が高い
・腎機能低下、多剤併用などで薬物有害事象が発生しやすい
・心不全リスクが高い等があり、心・腎機能不全、認知・生活機能低下が生命予後や日常活動性を脅かします。

(この項続く)

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