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お知らせ
2017年10月23日

 αーグルコシターゼ阻害薬(その1)

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Ⅰ 当クリニックで採用されている薬の商品名
 
 ベイスンOD錠0.3mg(武田薬品)
 セイブル錠75mg(三和化学研究所)
 ミグリトールOD錠75mg「サワイ」(サワイ製薬)

Ⅱ この薬は、どのような作用で血糖値を下げるのか
 
 私たちが毎日の食事でとる炭水化物(デンプン)の多くは2糖類や多糖類からなりますが、これらは小腸粘膜上皮で単糖類にまで分解されないと体内に吸収されません。多糖類は最初に、唾液と膵液に含まれるアミラーゼという消化酵素の働きで二糖類に分解され、さらに小腸粘膜上皮に存在するαーグルコシダーゼという酵素の働きで単糖類、グルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖など)、に分解されます。こうして分解された単糖類が血液中に運ばれて血糖となります。
 この薬は小腸粘膜上皮にあるα-グルコシダーゼという酵素の働きを抑える作用があります。このα-グルコシダーゼという酵素の働きを抑えるということは、結果的に食事からの糖類の吸収を抑えることになり、食後の血糖の急激な上昇を抑えることができます。

Ⅲ なぜこの薬を使うのか
 
 私たちの体は、炭水化物を十二指腸から小腸の最初の1メートル位の所で90%以上吸収します。糖尿病の特徴は、食後の血糖が正常以上に上昇することですから、この薬で糖質の吸収を遅らせることで、食後の急激な血糖の上昇を抑えることができます。また、この薬は従来の血糖降下薬とは作用機序が違いますから、ほかの経口血糖降下薬やインスリンと併用することもできます。また、インスリンの分泌に影響を与えませんから、太る心配もありません。このため、肥満した糖尿病患者さんにとっては、最適な内服薬ということができます。
 この薬を上手に使えばこれまでの治療法で血糖コントロールが上手くいかなかった人でも、良好な血糖コントロールが達成し易くなります。
 
Ⅳ この薬を内服すると栄養失調になるか
 
 この薬を服用すると、糖質の摂取が低下して栄養失調になるのではないかと心配する人がいるかもしれません。しかし、この薬は、表1類のデンプン、糖分の消化・吸収を”遅らせる”だけで、最終的には、100%消化・吸収されますから、この薬を内服しているからといって、表1類等の量を増やす必要はありません。

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