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2018年1月29日

 糖尿病と癌(その2)

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Ⅳ 糖尿病患者のかかりやすい癌
 
1)膵臓癌
 糖尿病と膵臓癌の関係は古くから指摘されていました。しかし、糖尿病が膵臓癌の発症要因なのか、あるいは糖尿病が単に膵臓癌の初期症状にすぎないのかといい点に関する議論は、未だに決着がついていません。
 また、どのような特性を持った糖尿病患者に膵臓癌が発生しやすいのか、その条件を検討した結果では、2型糖尿病で、年齢40歳以上、糖尿病の罹病期間が長い人にリスクの増加がみられたという報告や、胆石や膵炎の既往がある人や喫煙する人のリスクが高いとの報告もあります。ただし、これまでいわれてきたコーヒーやアルコールとの関係はないそうです。

2)肝臓癌
 肝臓癌の危険因子としては、これまで飲酒、C型ウイルス性肝炎、肝硬変などとの関係が知られていましたが、糖尿病も肝臓癌のリスクファクターだといいます。
 これは肥満した糖尿病患者さんでみられるインスリン抵抗性による高インスリン血症が原因だという説もあります。つまり、細胞の成長を促進する働きがあるインスリンが過剰にあるために、癌細胞の増殖が促進されてしまうのではないかというのです。また、肥満した糖尿病患者さんによくみられる脂肪肝、肝硬変などの慢性肝疾患とC型ウイルス性肝炎や飲酒などが相まって肝臓癌を発症しやすくするという考えもあります。

3)そのほかの癌
 このほかの癌に関する調査では、イタリアの研究で子宮体癌が健常人の4.1倍だとする報告や、結腸癌や直腸癌の調査では、糖尿病では1.6倍もリスクが高まるという結果が報告されていたり、乳癌でもリスクは高くなるという報告もあります。

4)癌への対策ー早期発見・早期治療
 糖尿病があると、膵臓癌、肝臓癌などにかかりやすいらしいということが判れば、それに対して何らかの対策を練る必要があります。
 医学が進歩した現在でも、癌に対する対策は、「早期発見・早期治療」につきます。定期的に腹部超音波検査や胃カメラ、便潜血検査などを受けて、少しでも疑わしい結果が出たら、臆することなく、精密検査を受けることが大切です。
 もちろん、喫煙、肥満による脂肪肝、過度の飲酒などという、自分で取り除くことができる原因は、きっぱりと断ち切ることが基本です。
 癌という名前に負けることなく、先手必勝を合い言葉に、予防と早期発見・早期治療に心がけるようにしましょう。
 

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