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2017年8月7日

コエンザイムQ10について(その2)

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Ⅳ コエンザイムQ10と抗酸化物質との相互作用
 
 コエンザイムQ10自身が抗酸化物質ですが、最も重要な働きの一つに、他の抗酸化物質の再生があります。
 コエンザイムQ10は、ビタミンE濃度の約30倍の濃度で細胞膜中に存在し、フリーラジカルという酸化作用の強い物質を取り除く働きがあります。生体にとって好ましくない状態である酸化ストレスを受けている間は、細胞膜内のコエンザイムQ10濃度は上昇しています。
 ビタミンCとEは、ヒトにおける重要な抗酸化物質です。生体では、炎症反応、免疫反応、ならびに環境の変化で酸化物質であるフリーラジカルが生成されます。このフリーラジカルは、正常な組織に損傷を与え、健康に障害を与えるものです。ビタミンCとEなどの抗酸化物質は、フリーラジカルを無害な化合物に変化させます。コエンザイムQ10には、ビタミンCとEを再生させる働きがあります。

Ⅴ ピペリンはコエンザイムQ10の吸収を増加させます
 
 ピペリンとは、黒胡椒に含まれる主要な刺激物質で、およそ1~9%含まれています。このピペリンは、さまざまな薬物や栄養素の吸収を高めることが判っています。最近の研究では、5mg程度のごく少量のピペリンでもコエンザイムQ10の吸収が増加することが示されました。

Ⅵ 糖尿病とコエンザイムQ10
 
 糖尿病患者の95%を占める2型糖尿病の進展と抗酸化物質の体内濃度との間に関係があることが明らかにされました。最近、コエンザイムQ10は膵臓のβ細胞でのインスリン分泌を高めることで血糖コントロールを改善することを示唆する研究が発表され糖尿病治療でのコエンザイムQ10の有用性に期待が集まっています。
 しかし、これらの成績の多くは試験管の中の成績だったり、動物実験での成績がほとんどで、ヒトの場合にすぐに当てはまるかどうかは今のところははっきりしていません。
 実際の糖尿病臨床の場でコエンザイムQ10の有効性が確立されるためには、これらの研究結果を追試する大規模な臨床研究が必要なため、今の段階では「可能性がある」程度に考えていた方がよいと思います。

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