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2015年11月30日

コレステロールについて(その1)

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Ⅰ コレステロールと動脈硬化症

 最近は、健診などではHDLやLDLコレステロールを測定して総コレステロール値を測定することが少なくなりましたが、動脈硬化を考える上でコレステロールそのものの理解を深めることは重要です。
 コレステロールはヒトの体の中で大切な働きをする、ヒトの体になくてはならない物質です。コレステロールは細胞膜をつくる材料として必要ですし、多くのホルモン、ビタミンや胆汁酸などの基本構造材料としても使われています。この体に必要なコレステロールも、多すぎると動脈硬化症の進行を早めることが、多くの調査・研究で判ってきました。まさに、「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」です。
 動脈硬化症は、老化現象の一つですから、誰でも避けて通るわけにはいきません。しかし、老化が人よりも早く進んで、結果として寿命が短くなるとしたら、悲しいことです。しかし、医学の進歩で、ほんの少しの努力をすれば、コレステロールが高いことによる動脈硬化症の進行を遅らせることができるようになりました。

Ⅱ コレステロールはどこまで下げるとよいのか
 
 コレステロール値と心筋梗塞による死亡との関係を調べた日本や欧米の多くの調査・研究の結果では、心筋梗塞による死亡は明らかにコレステロール値ぼ上昇と共に増加していて、特にそのカーブはコレステロール値が200mg/dLを越えるあたりから急峻な立ち上がりをみせています。このため、
      コレステロール値は200mg/dL以下
にするのがよいとされています。

Ⅲ コレステロールを下げる方法
 
 コレステロールは体に必要なものですから、食事で補給される以外に、自分の体内(肝臓)、でも作っています。コレステロールの約2割が食事由来で、約8割が肝臓で作られたものだとされています。したがって、コレステロール値の約8割は体がつくり、食事による影響は2割にすぎないのです。また、遺伝的にコレステロールを多く作りすぎてしまう家系のあることも知られています。
 高コレステロール血症を治療するときの一番の基本は、食事療法と運動療法ですが、それでも目標とする値に達しないときには、積極的に薬物治療を行うことが、高コレステロール血症による動脈硬化症の進行を遅らせるためには必要です。
 コレステロール値が200mg/dL以下の人に比べて、250mg/dL以上の人は、心筋梗塞で死亡する危険率が約2.5倍になりますが、この危険率は若くなるほど高くなり、40歳以下の人では、危険率は約7倍にもなるとされています。若いからといって油断しないで、若いときからの早めの治療が大切です。
 

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