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2016年1月12日

ストレスと糖尿病(その1)

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Ⅰ ストレスとは何か
 
 ストレスとは、人間の体内環境ならびに体外環境の変化に対して、人間が上手に適応できないような状態を引き起こす要因のことをいいます。すなわち、人間が環境の変化に上手に順応できない因子がストレスの源になるのです。
 糖尿病患者さんに影響するストレスには、感染症、外科手術、外傷、ステロイド・ホルモン薬などの血糖に影響を与える薬剤などという体内環境に直接影響を与えるストレスと、気候、騒音、男性では職場での問題、女性では家庭内の人間関係の葛藤などの社会生活上の問題、さらには糖尿病という病気があるという心配などの外界の変化によりもたらされる間接的なストレスがあります。このようなストレスは血糖値に影響をあたえます。ストレスを上手に対処する方法を習熟することは糖尿病のコントロールを良好に維持する上で大切です。

Ⅱ ストレスと病気
 
 ストレスという言葉には漠然とした文学的な響きがあります。これを医学的に定義するとどうなるのでしょうか。人間がストレス状態に置かれると、ストレスからの攻撃を防御するために、腎臓の上にある副腎という小さな組織からカテコラミンやコルチゾールというストレスホルモンと呼ばれている、ストレス状態から体を守るように働くホルモンが分泌されます。このストレスホルモンの分泌を盛んにするために、脳下垂体という大脳にある組織から副腎皮質ホルモン分泌刺激ホルモンが分泌されます。医学的には、このような一連のホルモンの反応が亢進した状態をストレスと呼びます。
 ストレスの影響を受けて悪化しやすい疾患として、神経性皮膚炎、関節リュウマチ、気管支喘息、本態性高血圧症、消化性潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸炎、甲状腺機能亢進症などの様々な病気が知られています。しかし、ストレスのタイプ、強さ、持続などに対する一人一人の反応が大幅に異なるために、どの程度のストレスがどれ位これらの病気を悪化させるかは、一概には決められません。

Ⅲ 日常生活とストレス
 
 日常生活の中にあるストレスというと精神的なストレスを指すことが多いのですが、ストレスの源となるものは単独であることの方が少ないのが一般的です。私たちは一般に慣れたストレスには抵抗力を持ちますが、かつて経験していない出来事や、ストレスの重なりには耐性が小さいものです。
 アメリカのワシントン大学のホルムズ教授は、出来事を調整するのに必要な時間と集中度から計算して、精神的因子としてのストレスの数量化を行っています。これによると、結婚を50としたときに、配偶者の死100、離婚73、外傷・病気53,妊娠40,性の不調39、転職39、百万円以下の借金31、入学や卒業26、休暇13、交通違反11などとなっています。

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