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2022年6月6日

フレイルとは何か(その2)

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Ⅲ なぜ脆弱からフレイルに変えたのか
 
フレイルはfrailtyの日本語訳です。Frailtyの日本語訳としてはこれまで「脆弱」が使われてきましたが、「老衰」、「衰弱」、「脆弱」などの日本語訳も使われることがあり、これらの訳語は「加齢に伴って非可逆的に老い衰えた状態」という印象を与えてしまいます。しかし、frailtyには。しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可能性が包含されていて、私たちは適切な介入をすることで、生活機能の維持・向上を図ることができると考えています。また、「脆弱」ではfrailtyの持つ多面的な要素,すなわち身体的、精神心理的、社会的側面のニュアンスを十分に表現できません。
 そこで、日本老年医学会はfrailtyの認知度を高め、予防の重要性を広く啓発するために、frailtyのより適切な日本語訳の検討を行った結果、「脆弱」に代わって「フレイル」と表すことに決めました。

Ⅳ フレイルをどのように診断するのか
 
これまでの研究からフレイルの指標について様々な尺度や評価方法が提唱されてきましたが、移動能力、筋力、認知機能、栄養状態、バランス能力、持久力、身体活動性、社会性などの複数の構成要素を合わせて評価するのが一般的です。
 体重減少(1年間に4.5Kg以上)、易疲労感、筋力(握力)低下、歩行速度低下、身体活動性低下のうち3項目以上該当した場合をフレイル、1~2項目に該当した場合をプレフレイルと定義したところ、フレイルと判定された人はその後の追跡調査で死亡率が高かった(5年生存率は約70%)という報告があります。
 愛知県大府市に住む65才以上の4745名を対象にして、体重減少は「この2年間で体重が5%以上減少したか」、易疲労感は「自分は活力が満ちあふれていると感じるか」、身体活動低下は「軽い運動・体操および定期的な運動・スポーツをしているか」、歩行速度低下は「男女とも1.0m/秒未満」、握力低下は男性26Kg未満、女性17Kg未満かどうかというように定義して調査し、これらの項目に3つ以上該当した者をフレイルとした場合、538名(11.3%)が該当しました。最後に、簡易版フレイル指標を示します。3つ以上を満たす場合には、要介護、転倒、死亡リスクが有意に高くなるとされています。
                                     簡易版フレイル・インデックス
・6ヶ月間で2~3Kg以上の体重減少がありました
・以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか
・ウォーキングなどの運動を週に1回以上していますか
・5分前のことが思い出せますか
(ここ2週間)訳もなく疲れたような感じがしますか

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