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2026年11月2日

一般市民のための救急蘇生法(その1)

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Ⅰ 救急蘇生における一般市民の重要性
 
心停止に対して、胸骨圧迫と自動体外式除細動器(automated external defibrillator:AED)による電気ショックが最も有効ですが、電気ショックが1分遅れる毎に救命率が約7~10 %ずつ低下するとされています。現在日本では119番通報してから救急車が現場に到着するまでに全国平均で8.7分かかると報告されています(余談ですが、違法駐車がなくなるともっと早く到着することができるそうです)。そうなると心停止の現場に居合わせた一般市民による一刻も早い救急蘇生が重要になることに疑いの余地はありません。
 総務省消防庁から発表された「令和2年版、救急・救助の現況」によれば、わが国では年間78,884人の心原性心停止が発生していて、その内一般市民に目撃されたのは約1/3の
2 5.560人で、さらにその内一般市民による胸骨圧迫などの心肺蘇生を受けたのが14,789人(57.9%)と徐々に一般市民による胸骨圧迫などの心肺蘇生率の向上が認められています。
 わが国には推定60万~70万台のAEDがあるにもかかわらず、先に述べた一般市民により目撃された25,560人に限っても、一般市民が除細動を実施した傷病者はわずか1,311人と、一般市民により目撃された心停止のわずか5%程度に過ぎません。また、一般市民が胸骨圧迫などの心肺蘇生とAEDを使用した除細動を実施した場合の1ヶ月後の社会復帰率は46.0 %であったのに対して、一般市民がどちらも行わなかった場合の1ヶ月後の社会復帰率はわずか4.4%と約10倍も差があることからも、救急蘇生における一般市民の役割の重要性は明らかです。
 「令和3年版、救急・救助の現況」では、令和2年版と比較して社会復帰率の低下とAED使用数の低下が報告されていますが、これは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行の影響だろうと考えられています。
 「救急蘇生法の指針2020(市民用)」の救急の連鎖でも、1つ目の輪は心停止予防、2つ目の輪は心停止の早期認識と通報、3つ目の輪は一時救命処置(心肺蘇生とAED)、そして4つ目の輪は医療者による二次救命処置と心拍再開後の集中治療となっていますが、最初の3つの輪は心停止の現場にいる一般市民により行われることが期待されています。

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