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2026年10月19日

超高齢化社会と難聴(その2)

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Ⅱ難聴の病態’(前項の続き)

3)性差
 日本人の平均聴力に関する研究で、会話領域から高音域に関しては男性の難聴進行が速いことが明らかにされましたが、これは諸外国の報告とも一致しています。その原因に関しては、職業上の騒音暴露の差も挙げられていますが、最も重要なのはエストロゲン量の違いであろうと考えられています。

4)騒音暴露
 騒音への暴露による内耳障害には、短時間の暴露による音響外傷や急性音響性難聴を含む急性音響性聴器障害と、長時間の暴露による慢性音響性聴器障害があります。
 長期間の騒音暴露が継続することで4,000HZを中心とした聴力低下が起こると共に、騒音暴露を止めた後もその他の周波帯(2,000~8,000Hz)も影響が継続します。このため、聴力低下が起きてから対応するのではなく、予防的に聴覚保護を行う必要があります。
 
5)内耳毒性を持つ薬剤の使用歴
 シスプラチンなどの抗がん剤やアミノグリコシド系抗菌薬などの内耳毒性を持つ薬剤の服用で聴力低下は進行します。

6)生活習慣、生活習慣病
 メタボリックシンドロームと難聴との関係も明らかになりました。2021年に韓国から報告された94,223人を対象とした論文によると、腹囲、空腹時血糖値、高血圧、脂質異常症、HDL-C低値のうち、HDL-C低値以外の4項目が難聴発症との関連を示しました。
 糖尿病との関連では、年代にかかわらず糖尿病は難聴発症と関連していること、特に高音になるほどその関連が著名になることが示されています。また、大量飲酒と喫煙も難聴と関連しているとの報告もあります。

Ⅲ 難聴の治療
 現時点では感音難聴に治療効果があると認められている薬剤はわが国にはありません。つまり、これまで述べてきた難聴を来す要因の内、後天的なものをできる限り除去することで予防を図ることが大切になります。難聴発症後は補聴器や人工内耳という補助具を適切に用いることが重要となります。

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