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2017年7月24日

亜鉛について(その2)

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Ⅴ 亜鉛はどれくらい必要か
 
 亜鉛の必要量は、日本人の成人男性で11~12mg/日、女性で9~10/日とされています。許容上限摂取量は最大30mg/日です。一般的に、菜食や低タンパク食の場合は、標準的な食事よりも亜鉛の摂取量が少なくなります。日本人での調査報告はありませんが、アメリカ人の場合平均10~15 mg/日の亜鉛を食事から摂取しているといわれています。
 亜鉛の摂取量をわずかに増加させることで、免疫機能を向上させることが明らかになってきましたが、亜鉛は比較的少量(50~75mg/日)で毒性が現れるので、食事からとサプリメントからの亜鉛摂取量の適切なバランスを見極めることが大切です。
 最大30mg/日までは、ほとんどの成人にとって安全だとされています。

Ⅵ 糖尿病と亜鉛
 
 亜鉛は、インスリンと糖尿病に大いに関与しています。糖尿病患者では低亜鉛血症(血中亜鉛濃度が低い)が多くみられ、1型および2型糖尿病の何れの患者でも血清亜鉛濃度が約40%低下しています。この低下の原因は、亜鉛の尿への排泄の増加と亜鉛の吸収の減少だとされています。
 血清亜鉛濃度を正常なレベルに近づけるための亜鉛サプリメントの摂取は、耐糖能およびインスリン分泌反応を改善するという報告があります。また、動脈、腎臓、および眼の網膜に加えて、亜鉛は膵臓のβ細胞(インスリンを分泌する細胞)に対する酸化障害を減少させる抗酸化酵素の活性に不可欠です。亜鉛はインスリン合成細胞を保護することにより、2型糖尿病の進行を遅らせる可能性が示唆されています。動脈、腎臓や網膜に対する酸化障害は、糖尿病の慢性合併症の成因の一つであると考えられています。
 亜鉛と糖尿病の関連について立証されつつありますが、未だに確立されたものはありません。適切な亜鉛摂取量を決定するには、さらなる研究が必要です。糖尿病患者さんは、亜鉛の適切な摂取に心がけ、過剰な摂取を避けるため、亜鉛摂取量を注意深くチェックする必要があります。

Ⅴ 亜鉛をどうすればいいのか
 
 私たちがふつうの食生活をしていれば、亜鉛欠乏症になることはありません。偏食が激しかったり、極端に食事がとれない状況が続いた場合に初めて亜鉛欠乏が問題になりますので、極端なダイエットをしているヒト以外は心配ありません。
 

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