再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2023年6月5日

低炭水化物食について(その1)

0

日本糖尿病学会が発表した「糖尿病における食事療法の現状と課題」という提言です。 

Ⅰ はじめに 

我が国の2型糖尿病増加の原因は、戦後の我が国における生活習慣の変化、身体活動度の低下に加え、特に脂質を中心とする栄養摂取バランスの崩れにあります。2型糖尿病の予防と治療には、生活習慣の是正が第一義的な意味を持ちますが、日本糖尿病学会は当初から食事療法を重視し、その実効性を高める目的で糖尿病食事療法のための食品交換表(食品交換表)の策定に早くから取り組み、今日まで改訂を重ねてきました。 
最近では、炭水化物について、血糖に対する直接的な影響ばかりでなく、肥満の是正に対する効果などからその摂取量に関心が高まっていますが、各栄養素の意義はエネルギー代謝に関する包括的な視野に立って評価すべきで、決して個々の栄養素に限定して論じることはできません。 

Ⅱ 我が国の一般人口における栄養摂取量の現況 

1960年代に比較して、日本人の総エネルギー摂取量は次第に減少きていて、2010年の調査では、平均1840kca1とされています。一方、三大栄養素の摂取量をみると、炭水化物摂取量は減少し、脂質摂取量が増加し、2010年の調査では炭水化物と脂質のエネルギー比率はそれぞれ59.4%、25.9%とされています。食塩摂取量は減少し、2010年には平均10.6g/日でした。この他、食物繊維摂取量の低下などが指摘できますが、際だった特徴は脂質摂取量の増加です。脂質栄養の変化が疾患動態に密接に関係することは沖縄県に顕著に現れています。沖縄県は従来、我が国の最長寿県とされてきましたが、生活習慣の欧米化に伴ってその地位は著しく低下しました。その主たる原因は心血管疾患の増加にありますが、この間に肥満者の割合は全国トップになりました。平成18年の調査で栄養摂取状況を全国平均と比較すると、総エネルギー摂取量に差はありませんが、脂肪エネルギー比率が25%以上の者の割合は男女共60%を越えていて、全国平均の40~50%をはるかに超えていました。 

Ⅲ 糖尿病における栄養摂取指針に関する現況 

1)2型糖尿病での食事療法の意義 
2型糖尿病における食事療法は、総エネルギー摂取量の適正化によって肥満を解消し,インスリン作用からみた需要と供給のバランスを円滑にし、高血糖のみならず糖尿病の種々の病態を是正することを目標としています。そのために総エネルギーを調整し、合併症に対する配慮の上で三大栄養素のバランスを計ることが推奨されています。 

2)栄養素摂取比率について 
諸外国でもこれまでは炭水化物45~60%、脂質25~35%、たんばく質10~20%の栄養バランスを目安とすることが多く、メタ解析により炭水化物55%以上,脂質30%未満、たんばく質 12~16%を推奨値とする報告もありました。欧米と比較して脂質摂取量が少ない我が国では、従来から脂質エネルギー比率の上限として25%を採用することが一般的で、動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版は20~25%にすべきだとしています。日本糖尿病学会による糖尿病治療ガイドラインでは、たんばく質を標準体重1Kg当たり1.0~1.2g(50~80g/日)と指示していて、摂取比率としては20%以下となります。たんばく質の上限設定について、腎臓への負荷が懸念され、たんばく質摂取量と心血管疾患発症率との相関があるとの報告もあります。こうしてみると、糖尿病に推奨される炭水化物の摂取比率は、脂質並びにたんばく質の推奨比率からも制約を受け、50~60%と計算されます。実際にその値は日本人の一般的な栄養素摂取比率に合致することから、噌好性あるいは遵守性を担保すると理解されてきたといえます。 

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日