再診の方は原則「予約制」となります。
052-930-1311
お知らせ
2023年8月28日

健康食品について(その3)

0

Ⅱ 健康食品の問題点 

1 エビデンスに基づかない情報の氾濫 

健康食品の中には、現時点の科学的な考え方では理解できない効果を標梢したものがあります。また、有効性の根拠は非臨床試験によるものがほとんどで、臨床研究であっても、それは品質の確かな原材料で実施された結果であり、消費者が実際に利用する製品の有効性の根拠になるとはいえません。例えば、「経口摂取した酵素がそのまま血液中に出現して作用する」 「摂取量に関係なく効果がある」「天然・自然のものだから安全・安心」などがその事例です。このような科学的に不正確な情報が参照される原因として、原材料の品質や含有量の重要性、摂取成分の吸収、分布、代謝、排泄や種差による影響の関する認識不足があります。 

2 医薬品との誤認 

疾病の治療や予防の効果を表示することは保健機能食品でも認められていません。これは医薬品ではないものが医薬品として利用されてしまうと、適正な医療環境が保持できなくなるからです。諸外国でも同様に、医薬品以外の製品に疾病の治療や予防効果を表示することは認めていません。健康食品の中でも、特にサプリメント形状の製品は医薬品と誤認されやすい。 
実際に健康食品が疾病の治療効果を期待されて利用されていて、その利用は医療関係者には伝えられずに通常医療が行われている実態が報告されています。 
健康食品と医薬品は、製品の品質、安全性と有効性に関するエビデンスの質と量、利用環境の三点で、次のような違いがあります。
健康食品に含まれている原材料の品質は医薬品とは全く異なっていると考えられます。最近、健康食品の中でGMP(good manufacturing practice)に従って製造された製品もありますが、このGMPは製造工程についてのみであり、原材料に関するGMPは満たされていません。健康食品に使用される原材料のほとんどは成分規格がなく、そのような原材料を各事業者か様々な割合で添加して製品を製造しています。ハーブ類を原材料とするサプリメントで、表示と異なる原材料が使用されていた事例は、品質管理の問題を明確に示しています。このように、同じ製品名であっても、最終製品としては多様な品質の健康食品が流通しています。 
健康食品で疾病の治療効果を示せるような信頼できる根拠のあるものはほとんどありません。そもそも生体に対して強い作用を及ぼす成分・原材料は、安全性確保の観点から、食薬区分によって「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)りスト」に収載され、食品には安易に利用できないようになっています。これは、国が安全性と有効性を審査・許可している特定保健用食品にも適用されています。このことからも、健康食品に明確な疾病の治療効果を期待することは難しいことが推察されます。 
医薬品は医師や薬剤師が介入することで安全な利用環境が整えられています。一方、健康食品は消費者の自己判断で利用されます。この利用環境の違いが、製品が安全かつ有効に利用できるか否かに大きく影響しています。 

一覧に戻る
0
ページトップへ
ご予約はこちらから
tel 052-930-1311 FAX 052-930-1310
再診の方は、原則「予約制」となります。※急患や初診患者はこの限りではありません
地下鉄東山線千種駅5番出口から徒歩1分
地図を見る
診療時間と休診日