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2023年9月4日

健康食品について(その4)

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Ⅱ 健康食品の問題点 

3 健康食品が関係した被害 

健康食品が関係した被害には、健康被害と経済被害があります。経済被害はいわゆる高額製品を購入したことによるトラブルです。一方、健康被害はそれほど多くはなく、消化管の不調や皮膚症状も含めて、利用者の約3~4%程度と推定されています。 
健康食品による健康被害には、製品側の要因と利用者側の要因が関係します。製品側の要因としては、有害物質を含む粗悪製品が関係していますが、利用者側の要因には、医薬品的な効果を期待した不適切な利用、体質に合わない者の利用などがあります。例えば、製品の利用目的が痩身や病気の治療になると、摂取量と摂取頻度が増加して有害事象が発現しやすくなります。東南アジアで食経験があったアマメシバが台湾や日本で閉塞性細気管支炎を起こしたのは、そのような事例と考えられます。また、製品が安全でも、疾病の治療に用いられることで病状を悪化させ、それが健康被害になることもあります。がん患者による健康食品の利用は、経済被害と共に適正な治療の妨げによって健康被害を起こす危険性があります。

Ⅲ 健康食品の今後の課題 

1安全性確保のための対応 

健康食品が適正な医療に影響しないようにするためには、健康食品利用によるメリットとデメリットの関係が消費者に正しく認識される必要があります。例えば、痩身効果を標構した「ホスピタルダイエット」と称する製品は、行政から何度も摘発されています。その原因として、消費者がその摘発情報を把握できていないことがあります。悪質製品が利用されず、エビデンスに基づいた考え方が普及することが、健康食品の安全性確保では最も重要です。 
健康食品の利用が、食習慣や生活習慣の改善につながれば、その製品は利用者にとっては有益なものになります。製品が良いか悪いかは、「誰が、どのような目的で、どのように利用するか」大きく依存しています。 

2 医療費削減と保健機能食品の関係 

保健機能食品を含めて、健康食品の主な利用者は、健康に不安を持っている人、基礎疾患を持っている人、医薬品を併用している人が多いと考えられます。このため、保健機能食品を医療費削減に活用しようとする動きがあります。しかし、現在直面している健康食品の問題点を改善せずに、保健機能食品の表示拡大や利用を促進することは、適正な医療環境の保持に対して悪影響を及ぼすこととなります。真に保健機能食品が国民の健康の維持・増進と医療費削減に貢献できるようにするには、まず私たちが健康食品というものの実態を正しく認識することが必要でしょう。

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