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2023年4月16日

動脈硬化予防のための食糧療法(その4)

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Ⅳ 危険因子を改善する食事(続き)

4 メタボリックシンドロームと食事 
標準体重と日常生活活動量をもとに総エネルギー摂取量を適正化する。体重あるいはウエスト周囲長の3%以上の減少を3~6ケ月間での目標とし、急激な減量は避ける。炭水化物エネルギー比率をやや低めにし、蛋白質を十分摂取して筋肉量を減らさないように注意する。炭水化物の内でグリセミックインデックス、グリセミックロードの低い食事を選択することは動脈硬化性疾患発症のリスクを低下させる。運動療法の併用が効果的であり、体重・体脂肪、血清脂質、血圧の改善が認められる。 

5 高血圧と食事 
減塩を強化し、野菜・果物を積極的に摂取する。これはナトリウムの制限とカリウムの充足を図り、ナトリウムの尿中排泄を促す。肥満解消と適正体重の維持、コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控え、魚(魚脂)の積極的摂取が推奨される。過度なアルコール摂取は血圧を上昇させるので制限する。 

6 糖尿病と食事 
糖尿病では肥満の解消が最も重要である。個々人の身体活動(エネルギー消費量)に適した総エネルギー摂取量とし、朝、昼、タの3食になるべく均等に配分し、よく噛んで時間をかけて摂取する。糖質が多くならないように留意し(摂取エネルギー比率60%未満)、いずれの栄養素も過不足にならないようにする。食物繊維を多く摂取するように努める。食事をする際、野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑制し、体重減少が得られる。飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸はそれぞれ摂取エネルギー比率7%、10%以内に収める。 

V 日本食パターンの食事について 

日常的な食事は、種々の食品を組み合わせて調理したものです。疾患の発症や危険因子の発言に及ぼす影響について、個別の栄養素ばかりでなく、摂取する食品の組み合わせ(食事パターン)で評価することが大切です。肉の脂身や動物脂(牛脂、ラード,バター)を控え,大豆、魚、、野菜、海藻、きのこ、果物,未精製穀類を取り合わせて食べる減塩した日本食パターンの食事は、動脈硬化性疾患予防に推奨されます。 

Ⅵ おわりに 

今回のガイドラインでは、クリニカルクエスチョンに対する解説に加えて、生活習慣の改善項目と食事療法のボイント、また危険因子を改善する食事のサマリーも示しています。医療機関、特に管理栄養士が中心となって、個々の身体活動量や病態と栄養状態を把握して適正な栄養食事指導を行うことが理想ですが、指導を受ける側にわかりやすい内容にすることも大切でしょう。

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